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エビ養殖業界に活気戻る=輸出中心、国内消費はまだまだ

3月4日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】北東部地方のエビ養殖業界は昨年、奈落のドン底に突き落とされるような打撃に見舞われたが、今年は追い風を受け復興の年として活気を呈している。
 エビ養殖は四年前から脚光を浴び、セアラー、バイーア、ペルナンブッコ、パライバ、リオ・グランデ・ド・ノルテの各州で、ゴールドラッシュをしのぐ勢いで広がった。二〇〇三年には全国の九〇%の生産を占めるに至った。これにより果樹生産を追い越し、砂糖キビ生産に次ぐ二番目の産業となった。
 この地方での養殖場は一九八五年にはわずか二十で、面積も六千二百五十ヘクタールだった。これが〇三年には九百五となり、一万四千八百ヘクタールへと発展した。九九年から〇四年までの売り上げ総額は七億七千八百万レアルとなり、九九年の養殖面積五千二百ヘクタールから昨年は一万六千ヘクタールへと拡大した。輸出は九八年には三百万ドルに満たなかったのが、〇三年は二億二千五百万ドルと驚異的な伸びを示した。
 しかし昨年、業界は史上初の打撃を被った。病害が発生してエビが死亡、生産は一一%の減少となった。一夜で数百万匹のエビが死んで浮いたという。さらに市場価格が半値に下がり、アメリカではアンチダンピング法が適用され追徴課税を受けて競争力を失い、輸出はストップした。業界は一転して赤字に転落、銀行に借金をする破目に陥った。
 しかし、国内エビ養殖協会は、今年は昨年の分を取り戻す年となるとし、生産は昨年の五万トンから、今年は八万トンから十万五千トンになる見通しで、輸出は例年より平均二〇%増が期待出来ると楽観している。これにはエビ輸出のトップのタイが、巨大津波で減産となるのも一因となっている。
 ブラジルのエビ消費は世界のレベルに達しておらず、依然として高嶺の花のイメージが強い。ブラジルの人口は一億七千五百人でエビの消費は年間三万五千トン、一人当たり二百グラムとなる。これに対しメキシコは人口一億人で消費量は年間七万トンだ。北東部の養殖場の従業員は一日二万匹以上のエビを処理するが、家に持ち帰ったことはない。従業員の七人の子供らの常食はハムとソーセージで、エビは生まれて以来一度も食べたことがないという。