3月4日(金)
三菱商事と丸紅は共同出資で新会社を設立し、ブラジル沖の油田プロジェクトに取り組む。洋上に原油出荷基地を建設し、同国の国営石油会社、ペトロブラスが運営する海底油田の原油搬送を効率化する。総投資額は約九億ドルで、日本企業のブラジルでの事業としては有数の規模となる。
新会社の「PDETオフショアSA」は三菱商事が六〇%、丸紅が四〇%出資する。洋上に巨大な原油積み出し基地を建設。その基地と近隣の複数の海底油田とをパイプラインで結び、同基地から一括して大型タンカーで原油を出荷する。出荷能力は一日六十三万バレル。個別の油田からそれぞれ出荷するのに比べ、搬送効率が大幅に向上するほか、原油流出などの事故リスクも低減できる。
必要資金は九億ドルで、株主二社が一億ドル、国際協力銀行が五億ドル、みずほコーポレート銀行が主導する民間銀行団が三億ドルをそれぞれ融資する。ブラジルは海底油田などの新規開発で、数年内に石油の純輸出国に転じる見通しで、日本企業の投資機会も広がりそうだ。