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正直者、バカを見る=裏目に出たコーヒー戦略

3月9日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】ブラジルは世界一のコーヒー生産国であり、世界一のバカ者だという定評がある。政府は五年間にわたって、コーヒー生産者と輸出業者の行政指導を行ってきた。
 国際価格安定のため政府主導でコーヒーの出荷調整を行ってきたが、生産者にすこぶる評判が悪い。農務省生産販売局は、国際調整機関からの脱退を表明した。コーヒーを生産する発展途上国に裏をかかれたのか、ブラジルの国際音痴か。
 ブラジルの国際調整機関への参加と価格安定は、ライバル生産国のコーヒー生産者と業者のために胸を貸したが、横綱ブラジルが賜杯を手にすることはない。初回国際会議で出荷制限に応じたブラジルは、お人よしの笑い者となった。
 馬鹿正直に国際協定を守り大量のコーヒー在庫で苦戦していた間抜けなブラジルをコケにして、ベトナムとメキシコが隙間を占領した。さらにライバル生産国である中米諸国は、ニューヨーク市場でブラジル産加工コーヒーを封じこめようと、共同戦線を張った。
 縄張りを食い荒らされたことに気付いたブラジルは、供給コントロールと価格安定のための国際基金設置を提唱し平和的解決を求めた。しかし、笛を吹けども誰も踊らない。