3月9日(水)
「年に二回は開催してほしい、という結果が出ました!」と興奮気味に話したのは芳賀ミレーネ和恵さん。去る二月二十七日の夕方、モジ・ダス・クルーゼス市のイタペチ(Itapeti)で行われた第一回夏祭りが終わった直後のことだ。
祭りは二月の第二、第三、第四の週末に行われ、サンパウロ市をはじめ周辺都市、遠くはパラナ州やミナス・ジェライス州から人々が集まり、選り抜かれたランの数々を楽しみ、こだわり味付けの食べ物を満喫した。
「地域活性化を図ろう、という気持ちを押さえることができずに、父に相談して企画したのですが、すべて手探りだったので、成功するかどうか、不安がいっぱいだった。そのため、来場していただいた皆さんにアンケートを書いていただいた。その結果、多くのみなさまが、このような行事を一年に一度だけでなく、二度も三度も開催して欲しい、という希望を出された。本当に嬉しい。まだ、(最初の企画が)終わったばかりですが、次を七月にでも行おう、というような気分になっています」と興奮が強気に変わるような表情だ。
これに呼応するかのように、「本当に期待以上だったよ。ガイジンを含めて、皆さんがヤキソバを残さず食べてくれたからね。スープのないヤキソバでも通用するよ。また、実行したい心境だね」と宗像克さん(74、福島県)だ。
会場でのヤキソバ・ヤキトリ・冷や奴・おにぎり四点セットが好評だったのは事実だ。ヤキトリを担当した大立目正美さん(宮城県)もご満悦だ。それぞれの調味料を市販物でなく、独自の工夫で味付けした結果だ。ヤキトリの鶏肉にも、冷や奴の豆腐にもこだわった。料金も実費ギリギリに設定した。
会場を提供したOrquidario Oriental当主の芳賀七郎さん(72、コチア青年、宮城県)は「都会に住む皆さんに(田舎に)来ていただき、あまりカネをかけずに楽しんでいただくことが地域の活性化につながる。(都会の)皆さんの気分転換にも役立つはず。この程度の規模なら投資に無理なく実施できる。採算を度外視しても、地元の良さを知っていただければ十分」と説明する。
グローボが全国放映、テレビ四社が取材に来訪した。それだけでも、宣伝効果が十分にあったようだ。「今回の出展参加はラン栽培五軒だけでしたが、開催中に参加希望の申し出(複数)があったので、次からは、ランだけでなく、他の作品も展示できる確信が持てるようになった。ですから、次回を七月に、という気持ちになっている」と和恵さん。イタペチ夏祭りは、小さい規模でも、行動することの重要性を示唆する一つのイベントとなったようだ。