3月9日(水)
生長の家立教七十六周年記念式典が六日午前九時から、サンパウロ市のブラジル伝道本部で行われ約千人が参加し祝福した。これは谷口雅春大聖師ご誕生日記念とならぶ二大年中行事。昨年十二月二十八日に、念願だった連邦政府の公益団体認可証明書が授与されたことが喜びと共に報告され、大講堂に響く喝采が送られた。
同伝道本部の岩坂吉彦理事長は式辞で、一九三〇年三月一日にブラジルでこの運動が開始された歴史を振り返り「連邦政府の公益団体として認められたことは、当に喜ばしい」と報告した。日本から「生長の家ブラジル総支部」の認可を受けたのは一九五一年であり、連邦政府から半世紀がかりで認可されたことになる。
続いて、三人が体験発表。ロンドニア州から来たマリア・アンゲリッタ・ダ・シウヴァさんは「二十五年前、左肺が結核に犯されが、毎日ひたすらお祈りを捧げ、信仰の力で克服した。ある時、医者から『全く病気の形跡がない』と診断された」と語ると、会場から大きな拍手が沸いた。
さらにオザスコ市のイリネウ・ブエノ・デ・オリベイラさんは妻が病魔を克服した経験を、セアラー州フォルタレーザ市のエウマ・ド・ヴァーレ・フルタードさんは十五年前に子宮ガンと宣告されたが、先祖へのお祈りを捧げて完治させた感動的な実話を披露し、会場の涙と拍手を誘った。
当日は来賓として、ジャバクアラ区の飯星ヴァウテル地区長、羽藤ジョルジ市議らも出席し、代表して神谷牛太郎市議が挨拶を述べた。アウキミンサンパウロ州知事からの祝電も披露された。
生長の家本部(東京)から褒賞として、海外向けでは最高賞の「海外二重光輪賞」が鍬本正継さんと森西茂行さんに、続く「海外光輪賞」には大坪靜子さん、マリア・デ・ナザレ・ダ・コンソラソン・バストス・ソウザさんに、海外布教功労賞も同フルタードさんら六人に贈られた。
十時からは向芳夫ラテン・アメリカ教化総長が記念講演した。日本からアジア、欧州になどに広がる生長の家の運動を概観し、特に十五歳以下の活動では日本の年間三千八百二十一人参加を大きく引き離して、ブラジルでは七千四百三十六人と、それ以外の国々の六百三十人とも一桁違う活発な様子を紹介した。
日本本部には「スーパーオフィス」計画があり、各国からの疑問やメッセージを本部のコンピューターに送ると、本部からの返答と合わせて自動的に各国語に翻訳し、世界中に伝えるようにする計画が進行中との報告もあった。
最後に全員が立ち上がり、手拍子を打ちながら力強く聖歌「使命行進曲」を合唱し、大講堂に響かせた。参加者の約八割は非日系人が占め、テレビ番組で布教するなどの独自な活動の成果と、谷口哲学への賛同者の幅広さを感じさせた。