ブラジル日本文化協会の今度の役員選挙は、どうみても「二世対一世」の対決の様相である。創立五十年にして、という感慨がある。また「参加しない一世」(これは、コロニアの識者の表現だが)が、「やるぞ」と画期的に動き出した結果である▼実のところ、戦後移民一世は、もう現在の安穏の暮らしから、みずから抜け出すような行動は起こさないだろうと、思われていた。立ったからには、月並みであるが、正々堂々、現体制(二世)との、言論一〇〇%の選挙戦を戦い抜いてほしい。そして、勝者がより多くの支持が得られる組織活性化を推進してほしい▼グァタパラ文協(グァタパラ移住地)の選挙の様子を、送っていただいた同文協の新聞で知った。選挙を行った通常総会の出席率は九八%(委任状を含めて)であった。文協推薦の現会長を会長とするシャッパに対抗シャッパが出たため、高い関心が示されたのである▼選挙は、総投票数百八、得票は現体制が六十、対抗が四十七、白票一と接戦だった。総会後の慰労会では、お互い反対者がおよそ半数いることを謙虚に受け止め、しこりを残さず協力し、グァタパラの発展に努力していくことを誓い合った、と新聞は紹介している▼「文協」の規模に違いはあるが、対抗シャッパが提出されることになり(二つ以上出る可能性がある)対決が鮮明にされたのは、歓迎すべき現象といっていい。グァタパラと同じように、だれが勝者になるにしろ、しこりが残らない選挙にしたいものだ。(神)
05/3/11