3月12日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】連邦政府は十日、リオデジャネイロ市の劣悪な医療保健行政に対して非常事態を発令し、一部の公立病院への介入を決めた。十一日のジアーリオ・オフィシアル(官報)にルーラ大統領および、コスタ保健相の連盟で通達された。
発令に当たり大統領は、三十分もかからぬ異例のスピードで署名し、事前に決断していたことを伺わせた。コスタ保健相は介入に関し、リオ市の運営の無能ぶりをこのまま黙視する訳にはいかないとし、人命に関わる問題であり、事態は急を要するとの立場を強調した。
リオ市内の私立病院や統一保健センター(SUS)などの公立病院は、連邦政府から年間八億レアルの補助金を受けながらも、医薬品不足やレントゲンなどの検査機器の故障で、救急診療は停止状態となっているのが実情だが、にもかかわらず連日、長蛇の列が出来ている。
これを受けて政府は打開策を講じるべく、昨年末から数度にわたり市当局と折衝してきたがラチが明かず、交渉を打ち切って今回の措置となったもの。これに対しリオ市は行政処分取り消しの訴えを連邦高裁に申し立てることができるが、保健省側では国民のための措置であり、申し立ては却下されるとの見解を示している。
介入が決定したのはミゲル・同市有数のコウトとソウザ・アギアル二大市立病院と四カ所のSUS。この六カ所の保健機関の職員は連続して勤務するが、運営管理は政府指定の代理人によってなされ、市側の権限は一切はく奪される。また非常事態が解除されるまで、各機関は独自の判断で予算に関係なく医薬品、機器類、必需品などが購入できる。また必要と思われる医師なども臨時に雇用可能となった。
政府は同市にこれまで、二十八カ所の医療機関を設立し、地方分権で市に委譲してきたが、これら全ての運営状況をみた上で、必要であればさらに介入していく意向を示している。