3月16日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】各方面から批判を浴びながらも強固な姿勢を崩さず、金利引き上げを強行する中銀。十五日と十六日の両日に開かれる通貨政策委員会(COPOM)の会合で再度、基本金利(SELIC)の引き上げが決定される見通しだ。昨年九月以降、毎月連続で基本金利の引き上げが実施されている。
これに対し金利調整は一月が最後と見ていた産業界は、せっかく取り戻した好景気を維持する意味でこれまで値上げを抑えてきたが、これ以上中銀の政策についていけぬとして、金利引き上げ分を利用者に転嫁し始めた。
消費者保護センター(Procon)が七日と八日に銀行十行を対象に調査したところ、個人貸付の金利は二月に月五・二五%だったのが三月は五・三四%と〇・〇九ポイント引き上げられた。シェッケ・エスペシアル(特別小切手)の金利は八・三%から八・十九%へ上昇した。
いっぽうで全国計理士協会のまとめによると、消費者に対する金利は一月に七・五九%(年率一四〇・五八%)だったのが、二月には七・七九%(年率一四六%)となった。主なのは商業が六・〇一%から六・一〇%、クレジットカードが一〇・二%から一〇・一三%、シェッケ・エスペシアルが八・三一%から八・四三%、CDCが三・二三%から三・八八%、銀行の個人貸付が六・二一%から六・二八%、金融機関の個人貸付が一一・六七%から一一・九一%へと上昇した。
これに対しフォルサ・シンジカル労組は、COPOM会議期間中、金利政策により銀行だけが甘い汁を吸っているとして、中銀前で五百人規模による抗議集会を行う。この際、「銀行のおエラ方は上質肉のピカーニャを食べているが、貧乏人は鰯しか食べられない」として、百キロの鰯を焼いて参加者や通行人にふるまう。
中銀の狙いは基本金利を一九・二五%までとすることで、今回は現行の一八・七五%から一挙に〇・五%引き上げるのか、来月にかけて段階的に分けるのか注目されている。いずれにしても一九・二五%が上限で、年末までには一七%に下がると予想されている。