3月16日(水)
渡部和夫補佐は今までの祭典協会の創立経緯や、文協との役割の違いを語った。
日伯総合センターの必要性に関して、「百周年後には五世の時代になり、混血はより進む。その時に日本文化を残すためにセンターが必要」と語った。「あらゆる日本文化をセンターに集め、だれでもそこへ行けば日本に関することはなんでも分るようにする」。
同時に、地方文協とのコミュニケーションを増やすためにインターネットを活用し、施設内に情報センターを設置する。「だから、日伯総合センターは文化センター+インテグラソン(統合)なのです」。
現在、移民史料館は文協ビル上階に位置するため一般人が入りにくい。総合センターでは一階において、みなに見てもらえるようにするとの考えを述べた。
「総合センターの中身に何を入れるか? 史料館だけでは若者は集まらない。展示イベント場やカラオケ、フィットネスを設置し、三、四、五世や日本文化に興味のあるブラジル人にも訪れてもらう」。
総合センター内に文協事務所を設けても、文協本体は今まで通り、リベルダーデで続ける。「総合センター建てるとなると、できるだけコロニア一本化して、貢献してもらわないと大きなことはできない」。
できれば、商業ビル二棟のうち、十フロア―分をコロニアのお金で購入し、そこから賃貸収入をあげてセンターの運営費や、文化団体への支援費用に充てたい、との意向を語った。
次に説明に立った菊地義治総務副委員長は、笠戸丸当時の時代背景から始まり、現代にいたるまでの移住史を情感たっぷりに物語り、「血は水よりも濃し―。例え混血になっても日系人の血はブラジルに継続している。一人一人が百周年への気構えを持ち直し、二〇五〇年にも日系社会が存続しているように、記念行事に賛同することをお願いします」と訴えた。
進出企業社長を務めた経験のある中谷アンセウモ氏は、ヤクルト商工の貞方賢彦社長、YKKブラジルの石川清治社長と共に財務委員であることを明らかにし、「お金のかかる事業ばかりなので資金調達に協力をするよう要請をうけた。三週間、仕事そっちのけで考えた」と述懐した。
今回初めて発表されたカルネ方式とは、百周年まで約三年間、毎月十レアルずつ銀行に振り込んでもらうという形の貢献だ。具体的には、一枚十レアルのカルネを三十枚つづり(三十カ月分)で一冊とし、それを一万冊配布することで、総額三百万レアルが確保できる見通しだ。
百周年協力者に毎月一枚ずつカルネを払ってもらい、三十枚払い終わる頃には百年祭当日になっているというプランだ。カルネには番号があり、少なくとも三カ月に一回、できれば毎月抽選で日本行き航空券が二枚当たるようにする。
もし一万冊がすぐになくなるようなら、最高十万冊発行すれば三千万レアル。さらに、〇六年からは一枚二十五レアルのカルネを十五枚(十五カ月分)で一冊、それを十万冊発行すれば、さらに三千七百五十万レアルが調達可能との計算を発表した。
中谷財務委員は、「これで集まる資金は、日伯総合センターとは関係ない。祭典協会の日々の運営費や、なかでも専従で働いてもらう人への給料として使うもの」と強調した。「どうか、みなさんにご支援いただき、この資金調達方法がよく機能するよう頑張りましょう」と呼びかけた。
(つづく)