3月17日(木)
リベルダーデをもう一度日本人の手に―。リベルダーデ商工会の池崎博文会長が、ガルボン・ブエノ、ファグンデス、バロン・デ・イグアッペ街の三方に面した七五六〇平米の不動産買収計画を進めている。総額一千五百万レアル。来月末には、ほぼ契約が終了し、引き渡しが行われる予定だ。十五日には、県人会関係者と共に、買収計画地に建つアチカ、スシピオネ出版社ビルを視察。池崎会長は、土地を有効活用するアイデアと協力者を広く募っている。
「ヴィラ・レオポルジーナ案に反対しているわけではないですよ」
池崎会長は現在のコロニアで耳目を集めている百周年記念事業とは、全く別件と念を押す。
今まで、日系社会、リベルダーデ活性化を事ある度にアピールしてきた池崎会長、この物件を見逃す手はないと三カ月前ほどから、土地、建物を所有する親会社のアブリウ出版社との交渉を続けてきた。
すでにリベルダーデの私立大学が物件の一部分に関して契約を終えていたものの、池崎会長がすべての土地を一括購入すると条件を提示。ようやく三週間前、最終契約にこぎつけた。現在書類審査中で、四月末には引き渡される。価格は一千五百万レアル。池崎会長とある企業家が一時負担する。
買収の競争相手には韓国、中国系の企業もあったが、「(交渉相手が)我々日系を信用してくれた。そういう意味も含め、なんとか土地を有効活用できないか―」池崎会長の思いは強い。
敷地面積は七五六〇平米で、延床面積は九千平米。五階建ての建物は各フロアが約一千平米、地下一階には駐車場がある。
建物内には現在、オフィス、会議室、講堂、レストラン、図書室、トレーニングセンターも完備されており、池崎会長によると、売買とともに、内部設備のほとんどが委譲されるため、すぐの利用が可能だという。
「数年間はこのまま使えると思う。具体的な案はまだなく、みなさんの知恵をお借りしたい」と呼びかける池崎会長。
しかし、経営上の視点から、三階部分までは貸し店舗にしてショッピング形式に。階上には、県人会事務所、劇場や映画館、会議室、文化教室、カラオケボックス、レストラン、寮、プール、アカデミア、ボーリング場などが考えられるという。
ACAL評議員会の網野弥太郎会長は、「かつてシネニテロイの誕生が日本人街発展につながった」とリベルダーデ五十年の変遷に触れつつ、「各県の物産常設展のようなものはどうだろうか」と自身のアイデアを披露。
「四十七都道府県のうち、二十以上が事務所を構えるリベルダーデ、先人が築き上げたこの土地を守っていく義務がある」と参加者に呼びかけた。
中沢宏一県連会長は「日本人として、話し合って協力していくべき」との考えを示した。
視察に参加したある県人会の代表は「場所的には非常に魅力がある。しかし、すでに会館を持っている県人会にとってはどうだろうか」と疑問を呈していた。
今回池崎会長が確保したのは、東洋人街の一等地。この土地をどう活用し、リベルダーデを活性化していくか―。池崎会長は「日系社会を盛り上げるため、みなさんのアイデアをお借りしたい」と呼びかけている。