3月18日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙、時事十七日】中央銀行の通貨政策委員会(Copom)は十六日、基本金利(Selic)を年率一八・七五%から一九・二五%に引き上げる決定を満場一致で下した。昨年九月以降、同金利は〇・五ポイントずつ連続七カ月上昇、二〇〇三年九月の二〇・〇%に次ぐ高いレベルに達した。
中銀は今年度のインフレを広範囲消費者物価指数(IPCA)で五・一%以内に抑えたい考え。IPCAは二月に、単月で〇・五九%、今年に入っての累積は一・一七%、過去十二カ月間の累積は七・三九%となっている。
金融市場では今回の引き上げが最後になると予想されている。しかし十六日夕方の中銀発表では、今回の決定が〇四年九月に始まった引き上げプロセスに従って行われたとされ、今後の引き上げの可能性は否定されていない。エコノミストの一人は、石油価格の高騰や米国の金利引き上げ予想といった国際情勢の悪化を背景に、中銀が金利引き上げに終止符を打つことを見送ったとみる。
企業経営者らは、基本金利引き上げが設備投資を遅らせ経済成長の足を引っ張るとみなし、組合関係者らは経済成長の減速が雇用に悪影響を及ぼすことを懸念する。インフレ退治には金利の引き上げしかないという思い込みを中銀が広めていると企業経営者らは批判し、インフレ抑制策として、〇四年に増加した公共支出の引き締めを主張している。