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日伯大学=構想を主導=日語センター、総会で合意

3月22日(火)

 ブラジル日本語センター(会員七百人、谷広海理事長)の第十七回通常総会が十九日午後、同センターで開かれた。日本語普及センター運営委員会設立から二十年。式典や、その記念事業として日本語学校の生徒四十人を対象にした訪日研修を実施する予定が明かされた。同センターの収入・支出は今年、昨年度比七%増の約百二十一万レアルに上る見通し。一方、焦点の日伯大学構想についても話し合われ、同センターが検討委員会設置に向けイニシアチブをとり、仮事務所の提供や当面の事務代行を行なう方針が承認された。
 総会には五十八人が出席。あいさつした谷理事長は「日本政府からの支援が減っていく中、ただ助けてくれと泣き言はいえない時代がきた」と述べた。
 同センターは昨年度収入の六割をJICAに依存。記念式典など二十周年関連イベントや、教師研修会からの増収が見込まれる今年の予算計画案でも、収入の半分以上をJICA助成金が占めている。ただ、それも確実に削減の方向へ進んでいるのが現状だ。
 これに関して、谷理事長は「移民百周年以降は、従来のように、単にお金を頂くという形での支援は打ち切られる」と説明。「将来的にはJICAといっしょに事業をやる。あるいは委託を受けてやるといった形になるだろう。より事業の効率と成果が求められるはずだ」と語った。
 谷理事長はさらに今後の課題として、「自立的な教師の養成と、教師資格を公的認定できる制度の確立」を挙げ、日伯大学の中に、日本語教師の資格を取得できるコースを設けるのも手だろうと提案した。
 その日伯大学構想については、矢野敬崇評議委員長が持論を展開。「農業面で功績のあった日系人が次に出来る、貢献できる分野は何か。国を背負うリーダー育成に繋がる教育ではないか」との見解を示し、「日本との橋渡しが出来る一、二世が多くいる今を逃したら、チャンスはない。十年以内が勝負だ」と話した。
 矢野評議委員長はまた、大学の理念と使命を徹底的に練り上げる検討委員会の早期設置を訴え、「だれかが音頭をとらなければ、始まらない。それをわたしたちセンターでとりましょう」と呼びかけた。
 これを受けて、谷理事長が「事務所の経費などをセンターが当面負担する方向で賛成していただけたら」と出席者の同意を求め、賛成多数を得た。