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「これからがスタート」=百周年ロゴマーク決まる=書のスタイルを活用=両国旗と移民の軌跡描く

3月23日(水)

 「これからがスタートです」――。ブラジル日本移民百周年記念祭典協会の上原幸啓理事長は高らかに宣言した。昨年から募集されていた百周年祭の記念ロゴマークがようやく決定、二十二日午前十一時から、文協貴賓室で発表された。選ばれたのは、出版社に勤務するマルシオ・コレア・ダ・シウヴァさん(25)の作品。会場には百人以上の関係者の他、ブラジルのメディア十九社や、日本の報道陣も詰めかけた。ブラジルに日本移民百周年祭をアピールする絶好の機会となったようだ。

 昨年十月、祭典協会ロゴマーク選考委員会(アントニオ・ローザ・ネット委員長)が該当作なし、と発表してから約半年。二回目の募集の結果、百七十人の応募者、二百九十六作品の中から、ようやくロゴマークが決定された。
 ロゴマーク円形で地球を表しており、日本の国旗は太陽、ブラジルの国旗は空、周囲を取り巻く灰色は移民の軌跡を〃書〃のスタイルで表現したもの。全体としては、現代のグローバリゼーション化のメッセージを持たせている。
 アントニオ委員長は、選考の焦点は「ロゴマークが百周年をいかに表現しているか」で、「北はパラー州などブラジル全土から応募があった」とコメント。応募者の約半数が日系だったことも明らかにした。
 選考委員会のメンバーは四人。「応募者と同じく、半分の二人がガイジンです」と顔をほころばせた。
 マルシオさんは、「ロゴマークに百周年の意義を反映させるため、日本や移民の歴史を勉強した」と、三カ月間、デザインについて頭を悩ませたことを吐露。受賞の感想を問われ、「最高の誇りに思う」と緊張気味に話した。
 上原理事長はあいさつの中で、「今日はとても大事な日。百周年記念事業の出発点です」と表情を引き締め、日本移民の歴史を振り返りつつ、「(日本移民を受け入れてくれた)ブラジル国民や政府に感謝している」とブラジルメディアを意識してか、力強くアピールした。
 小林パウロ連邦議員は「これから日伯両国がよきパートナーとしてお互い発展していうことを望む」と話し、伯日議員連盟の議長である立場から、「百周年には重きを置いている。連盟としても〇八年に向けて、様々な行事に取り組んでいく」と意気込んだ。
 会場には、ウィリアン・ウーサンパウロ市議、野村丈吾元連邦議員、石橋隆介JICAサンパウロ支所次長、総領事館からは浜田圭司総務・政務班領事が出席した。
 多くのメディアが取材に訪れたことで、ブラジル社会側からの注目度の高さを感じさせた。
 課題の多い百周年事業。「これからがスタート」と意気込む上原理事長だが、三年後にいいゴールは迎えられていることを祈りたい。