3月24日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】今年は異常に降雨量が少なく農村地帯では干ばつが続き、穀類の収穫は史上最低の減収になると予想されている。天候異変は気象庁でも予想しなかったもので、とくに南部の被害は著しく、社会問題となっている。
食糧配給公社が十四日から十八日の間、被害が大きい南部、マット・グロッソ・ド・スル、サンパウロ、ゴイアスの各州の穀倉地帯を調べてとりまとめた結果、今年の収穫は一千二百四十万トン減産の一億二千四百九十万トンに下方修正された。
当初の予想は十二月の時点で一億三千百九十万トンだったが、二月に一度下方修正され一億二千四百九十万トンとなった。今回はさらに予想が手直しされた。このまま干ばつが続くと、さらに見直しが必要となる。昨年(二〇〇三/〇四年度)は当初予想の一億二千九百六十万トンに対し、一億一千九百二十万トンの収穫に終わり、一千四百万トンの減収と、それまでの減収最高記録となった。
最も被害の大きかったのは、ドル箱と言われる大豆で、損失は五十四億ドルに上るとみられている。今年(〇四/〇五年度)の予想収穫量は五千三百十一万九千トンとみられ、十二月の予想の六千百四十万トンから八・二%減少している。
昨年十月の植付け時点での政府予測は五千九百五十一万トンから六千万トン。昨季(〇三/〇四年度)の収穫は四千九百七十七万トンだった。政府では農家の窮状を重視、先週のルーラ大統領の現地視察にともない、緊急援助を決めて補正予算を計上した。
次に打撃を受けたのがトウモロコシで、今季の収穫は三千九百トンとみられている。昨季は四千二百万トンだった。最も打撃を被ったのがリオ・グランデ・ド・スル州で、二百七十万トンと五五%減だった。これにより国内消費にも支障をきたす怖れがあり、政府は備蓄している二百万トンの放出も考慮している。