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土地の不正分譲が発覚=イーリャベーラ=現市長関与した疑い

3月24日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】サンパウロ州の海の観光地として名高いイーリャベーラ島で土地の不正分譲が発覚し、問題となっている。
 分譲地は海を一望できる高台で百九十区域が販売物件となっている。しかしそのうち、六〇%がサンパウロ州自然公園や自然環境保護地区となっており、分譲は禁止されている。
 分譲を最も多く手がけている不動産店の共同出資者が同市の現市長であることも疑惑を深めている。不動産店は市長が前期の選挙で当選した一カ月後に開店している。これに対し市長は、確かに出資者となっているが現在は職にかかわっていないとコメントした。
 しかし分譲地を購入した客は市当局発行の地権を有しており、すでに建築を始めた家では建築許可証を得ていることから、市長が便宜を計ったものとみられている。建築途中で工事中止命令を受けた人々は、正規の手続きを踏んで税金も支払い済みだとして、関係者を告訴する構えをみせている。
 さらに同島では水資源がなく、上下水道の完備は全体のわずか七%となっている。そのため新規の建築は制限されている。分譲されている土地では、飲料水を自然公園内の水資源地から無断で引くという不正も明らかになった。これに対し市長は、土地は一九七五年から個人所有地で、自然保護令は一九七七年に施行されたため、分譲禁止は知らなかったとしている。