日本が初めて「万博」に参加したのは慶応3年のことです。江戸幕府や薩摩藩と鍋島藩がパリで開かれた第2回国際博覧会に出展したのです。漆の器などが展示されたらしいのですが、その東洋的な美に魅せられてか?大変な人気だったと伝えられています。1867年ですから明治維新の前であり薩摩や鍋島の殿様も大いに頑張ったのに違いありません▼仏はパリの名物である「エッフェル塔」も1889年にパリで開かれた「万博」を記念して建築されたものです。あの塔の建設に際しては「パリの美を汚してしまう」の反対意見が多くかなりてこずったようですが、完成したときには「鉄が織り成す美しさ」にみんながびっくりしたそうです。今で言えば最新技術の粋を束ねて建てたのが、あの威容を誇る「エッフエル塔」です。あの塔は1万8038個の練鉄部品から成っています。しかも、練鉄は溶接できないので鋲を打って組み立て建設したのです▼と、こんな歴史をもつ「万博」が日本で初めて開かれたのが大阪万博です。縄文土器の美しさを唱えた岡本太郎の「太陽の塔」を記憶の読者も多いかと思います。そして「自然と叡知」をテーマにした「日本国際博覧会」(愛知万博、愛称=愛・地球博)の到来です。これまでは「技術の進歩」を打ち出す傾向が強かったのですが、21世紀初の「愛知万博」は、自然の知恵に学び共に生きるをテーマにしています▼ブラジルからも多くの人が見学に押し寄せるようですが、「自然と共に生きる」という日本古来からの教えを学べれば大いに結構なことだと思います。 (遯)
05/3/29