3月31日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】サンパウロ市庁舎などサンパウロ市の施設四十カ所が、エレトロパウロ(サンパウロ州電力会社)に送電を停止されるという前代未聞の出来事が発生した。送電停止は二十八日から部分的に始まり、二十九日午後にはヴェルゲイロ通りのサンパウロ文化センターなどの都市部に及んだ。
エレトロパウロ側は電気代未納と滞納を理由に強制執行に踏み切ったとし、市側では一月と二月分は支払い済と主張、「払った」「払わぬ」の子供じみた争いは法廷での決着に持ち込まれた。
エレトロパウロによると、セーラ政権になってからの電気代滞納は一億レアル、前政権までの滞納が五億三千万レアルとなっており、一向に支払う意思がみられないため、送電を停止したと説明している。国家エネルギー法では十五日間支払いを滞納した場合、電気をカットしても良いことになっている。
これに対し市側は一月と二月分で二千百四十万レアルを支払っており、二十九日のサンパウロ市官報(ジアーリオ・オフィシアル)に支出を掲載していると反論し、送電停止は公務執行妨害だとしている。市側は二十九日夜、送電停止の取り消しを地裁に訴えて認められた。エレトロパウロ側はこれを不服として法廷で争う構えをみせている。
ヴェルゲイロ通りのサンパウロ文化センターには約二千人が建物内にいたが、エレトロパウロの職員が午後五時、全員に退去するよう命じて電気を切った。何も知らされずに外に出た市民らは、単なる停電かと思い、電気が戻るのを外で待っていた。同センターでは夜になって色々な催し物があるが、集まった人々はドタキャンにがっかりして家路についた。
モーカ区では保健所と三校の市立校で電気が切られたため、休校となったり、最寄りの保健所や病院に患者を移す作業が行われた。エレトロパウロは日頃、病院関係と学校への送電は保証するとしており、これも争点となる。