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ブラジル遠征、好感触=サッカー20歳以下日本代表=サンパウロ州有力プロチームと6連戦「刺激になった

4月1日(金)

 二十歳以下の日本代表のブラジル遠征が三月二十八日の対コリンチャンス戦を最後に終わった。二十二日の来伯翌日から六日間で六連戦という超強行日程にも関わらず、二十六人の選手たちは懸命なプレーで六月の世界大会(オランダ)に向けアピール。対戦成績こそ一勝三敗二分けに終わったが、「ブラジルで経験したことを反芻したい」「刺激になった」と選手たちは日焼けした顔を引き締めた。
 二十三日のサンカエターノ戦は、到着翌日ということもあり時差ぼけや疲れのため一対二で敗れた日本だが二十四日のナシオナル戦では、相手のレベルがやや落ちるため四対二で遠征唯一の勝ち星を得た。
 「まずは厳しい環境でも戦える選手を選んでいる段階。結果だけにこだわっていない」。本大会に出場する二十一人の選手を絞り込む段階だけに、大熊清監督も最初の四試合ではチームとしての出来よりも、個々の選手を見極めることに重点を置いた。このため、二十五日のパウメイラス戦では相手が三軍程度の若手にも関わらず一対五で大敗。さらに地元カンピーナス市の日系社会からも多数の観客が訪れたポンチ・プレッタ戦でも前半だけで四点を許すなど、「王国」ならではの攻撃力に圧倒される場面も目立った。
 ただ、前半で一対四とリードされたポンチ戦も後半からは勝ちに行く姿勢を見せ大熊監督は期待の大型FW平山(筑波大)や「和製ロナウド」の異名を持つ十六歳の森本(東京ヴェルディ)ら主力を投入。時折見せる鋭い攻撃に観客から歓声が上がる場面も見られ、四対六まで食い下がる好ゲームを展開した。
 また今遠征で大きくアピールしたのが、今春に高校卒業予定のMF本田(名古屋)で、将来の日本代表との呼び声に恥じないダイナミックなプレーで大きくアピールした。「常に攻めの意識が高いブラジル人を見習い、Jリーグでも頑張りたい」とすでに名古屋でトッププロデビューしている十八歳は力強く語った。
 控え中心の選手で構成した二十七日のウニオン・サンジョアン戦は一対一で引き分けたが、遠征の総決算となる二十八日の対コリンチャンス戦には平山や本田、森本ら現時点でのベストメンバーで挑んだ。
 コリンチャンスもアルゼンチン人のパサレラ監督が指揮し、メンバーの半分近くが今季のサンパウロ州選手権でもレギュラー経験がある選手。DFの中心にはブラジル代表経験もあるアンデルソンを置き、遠征中で最強の相手に日本は懸命なプレーを見せた。
 後半二十三分に先制を許した日本だがわずか二分後に平山のパスを受け、原(駒沢大)が同点ゴールをゲット。コリンチャンスの猛攻をGK西川を中心にしのぎきり、好感触とともに遠征を終えた。パサレラ監督も「コンパクトで好チーム。GKやDFの選手がよかった」と評価した。
 「毎回いい相手とやらせてもらえた。本当に得るものは大きかった」と振り返った大熊監督。時代を担うべき若き日本は六月開催国のオランダやベナン、オーストラリアと予選リーグで対戦する。