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政府、新暫定令を発令=増税見送り、減税は続行

4月2日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙一日】政府は三十一日、暫定令二三二号で予定されていたサービス業従事者に対する増税を除き、課税対象額の一〇%引き上げによる個人所得税減税を定めた新しい暫定令を発令することを決定した。
 新暫定令は四月一日以降有効となり、課税対象額の引き上げは一月に既に実施されているため、個人納税者にとって実質的に納税額の変更はない。
 サービス業従事者を対象とした増税は、二十五億レアルに上る所得税減税分の埋め合わせとみなされていたため、今回増税を見送った政府は、GDP比四・二五%の財政黒字目標を達成するためにさらなる支出削減が必要かどうか二カ月かけて検討する。政府は二〇〇五年度予算から百五十九億レアルのカットを既に発表しており、アピイ財務相代行は、景気回復による税収増で支出削減の必要性がなくなることを期待する。
 二十九日以降、政府は暫定令二三二号の下院での承認が困難と判断し、所得税減税を含む同令の完全な廃止をめざしていた。野党の自由戦線党(PFL)とブラジル社会民主党(PSDB)は所得税減税だけを要求、今回の決定で政府は事実上、野党の要求を飲んだことになる。政府は来週にも新暫定令の下院本会議での承認をめざす考え。