郵政民営化法案を巡っての小泉首相と自民党の対立?はかなり深刻らしいが、万博の弁当騒動での「首相の威力」はなかなかどうして立派なものである。愛知万博の事務局が、何故?会場への弁当持ち込みを禁じたのかはよく解らない。事務総長によれば「食中毒が起こると大変だから―」と説明するけれども、万博事務局がそんな細かいことまで心配する必要があるのだろうか▼あんな催し物には弁当持参が常識と言うものである。この禁止令には多くの観覧者が反発した。レストランでの贅沢な食事よりも味噌を付けて焼いたお握りの方が香ばしくていいという人もいる。そんな声を耳にした首相は―中川昭一経産相に「弁当持参で入れるように」と指示したそうだ。この庶民っぽさが何ともいい。鶴の一声は見事なほどに効き早速の「弁当解禁」は真に快哉である▼勿論、主婦は大喜びだが、会場内の飲食店は悲鳴を上げているという。まさか―事務局と一緒に「禁止」に動いたわけではあるまいが中村利雄事務総長の歯切れも余りよろしくはない。弁当の持ち込みは許可したのだが―「家庭で手作りのものに限る」と厳しい条件がつく。従って、市販のものは食中毒の危険があるので厳禁なのだそうだ。これも行き過ぎと申すものではないか▼勿論、食中毒は避けなくてはならないが、弁当屋さんなどで調理したものを「危険である」と机に座ったままで規定するのは如何なものか。この中村総長が霞が関の出身かどうかは知らないけれども、こういうご仁を「お役人根性」と世の人々は言うのです。(遯)
05/4/2