4月6日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙五日】すしや刺身などの生魚や過熱が不十分な魚を食べることを通じて列頭条虫類の寄生虫に感染したケースが、二〇〇四年三月から〇五年三月までの一年間にサンパウロ市で二十八件確認された。うち十八件は今年に入って記録されている。感染した患者らは、様々な地域ですしや刺身を食べていた。
九八年から〇四年までにサンパウロ州では同じケースが二件しか確認されておらず、患者は二人とも外国で生魚を食べた外国人だった。ブラジル人の感染が確認されたのは今回が初めて。チリ、ペルー、アルゼンチンでは感染が確認されている。
子どもを含む感染者は、大便の中に寄生虫の一部を見つけることで、感染に気づいていた。感染後の主な症状は、腹痛、腹部にガスがたまること、下痢で、吐き気、体重減少、貧血になる場合がある。しかし、症状は感染者の二〇%しか表れない。治療は簡単で、プラジカンテルを一回服用するだけでよい。
寄生虫を媒介した魚として、列頭条虫が主に寄生すると鮭と鱸(スズキ)が推定されている。鮭はチリから輸入されているが、ブラジル近海で取れる魚が媒介した可能性も否定されていない。
州保健局の伝染病監視センター(CVE)は今週中にも生食用の魚を調理前の二十四時間、マイナス一八度以下で冷凍するよう通告する。冷凍することで感染が防げると科学的に証明されたわけではないが、低温で寄生虫が死に、または活動を弱めるとみられる。日本料理店は、冷凍は普通に行われており、味を落とすことにはならないとコメントし、同センターのフォルタレーザ所長は、寄生虫は目で確認できないため、レストランに責任はないと述べた。
ブラジリア大学(UnB)の調査によると、同市の日本料理店八軒から採取したすしと刺身の二五%に、基準を上回る大便内の細菌が確認されたという。調査者はレストランの衛生状態が生魚の品質に大きく影響するとし、他の都市でも基準を上回る細菌が確認される可能性が高いと話している。