ドル安、R$2.60を切る=1年間に9.6%下落=輸出企業、レアル切り下げ要望=悲鳴あげる製靴と繊維業界
4月9日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】ドル安がさらに進行して二・六〇レアルのマジノ線を突破したことで、二十三の輸出企業代表が七日、レアル通貨の切り下げを要望するマニフェストを発表した。要望書は、フルラン産業開発相とメイレーレス中央銀行総裁に渡された。また輸出業界は中央銀行に対し、三月十六日以来停止している為替介入と手持ちドルの競売を継続するよう要請した。輸出が好調であっても、それには限度があると輸出業者は政府に警告した。
ドル相場は七日、二・六レアルを切り〇・一九%安の二・五九六レアルに付けた。過去一年間にドルは九・五八%下落し、二〇〇五年に入って二・七%下げた。中銀は十二月から三月までの為替介入で百二十八億ドルを買い上げ、手持ちドルが四百億ドルになった。
為替変動に弱い製靴や繊維などの部門は、悲鳴を上げている。ドル安と原油高が定着すれば国内市場での努力は水の泡となり、さらにドル安がインフレ圧力を高めると製造業界が予測している。ブラジル地理統計院(IBGE)は輸出好調を発表したが、それはドル通貨を国内へバラ撒いているのだと同業界はいう。
高金利政策は、企業の資金調達を外国で行うよう仕向けている。外国の金利が国内より、はるかに低率で、ここからも大量のドルが入る。バネスパ銀は、外国で一億五千万レアルを三年満期の固定金利で調達と発表した。世界は底知れぬ大量のドル浸し。基軸通貨が、ドルからユーロに移る錯覚さえ与えている。
フルラン産業開発相の試算によれば、〇五年度の輸出が前年比で二〇%増加し、輸出総額が一千八十億ドルに達すると、政府の為替政策は輸出に影響を及ぼさないという考えだ。同相はルーラ大統領やパロッシ財務相に、直接投資を行う外資系企業や輸出企業への税制恩典を要請したと述べた。
ドル安はブラジルだけの問題ではなく、輸出に賭ける全ての国が直面している。アジア諸国は、為替危機には慣れたもの。要望書については、検討した上で政府が何らかの形で善処する見込みという。為替差損の相殺法について勉強しろと同相は言いたいらしい。
サンパウロ州工連(FIESP)やサンパウロ州工業センター(CIESP)などを中心に輸出企業二十三社は七日、為替対策会議を開いて決議をマニフェストにした。特に製靴と繊維業界は、中国勢に国際市場から追い出され、労働者は大量解雇の憂き目に会っているという。
製靴と繊維以外の輸出は、順調に伸びている。IBGE発表だけを見ると、泣き言をいう企業家は勉強不足か怠け者のように思われる。二十三社の代表は、現在の好調な輸出は昨年の契約を出荷しているためであって、やがて終わるという。輸出企業は、せっかく築いた輸出拠点を失ってしまうと悲愴感をあらわにした。
ブラジルの輸出部門は、未整備の部分が多い。ロジスチックの他に、輸出クレジットも遅れている。輸入には先進国から一年払いのクレジット・サービスがある。輸入品を売ってから、売上金を証券市場で運用し一年後に決済ができる。