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大統領一行、法王葬儀に参列=呉越同舟の専用機=服喪中、機内で夫人の誕生日祝う

4月9日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】ヨハネ・パウロ法王(ブラジルではジョアン・パウロⅡ、パパで親しまれた)の葬儀が八日現地時間午前十時(ブラジリア時間午前五時)に営まれた。これに参列するため、ルーラ大統領はサルネリ元大統領、カルドーゾ元大統領、両院議長などの要人とともに大統領専用機でローマに到着した。
 ブラジリアからローマまでの十一時間半の機中では、大統領夫人の五十五歳の誕生日が祝われた。この報道を受けたブラジル国内では、大統領が七日間の服喪を宣言しておきながら、しかも葬儀に向かう機中で誕生日を祝うのは不謹慎だとの声が上がっている。
 政敵同士の呉越同舟となった機内は、日頃のいがみ合いを忘れて和気合々だった。ただセヴェリーノ・カヴァウカンチ下院議長は別格で、早々とルーラ大統領に暫定令の自粛を促した。同議長が日頃主張しているもので、拒否権を発動する態度も明らかにしている。
 これに対し大統領は意に添うようにすると回答、拒否権についてはプラナルト宮(大統領府執務室)とよく話し合うよう要請した。さらに同議長は自然保護区をロンドニア州とロライマ州に分割するよう提案し、大統領の同意を得た。自説を押し切って満足した同議長は深い眠りに落ちた。ローマ空港に降り立った同議長は新調の大統領専用機に対し、「五千六百七十万ドルを払ったにしては小さい」と軽口を叩いた。
 いっぽうでリオ市のエウゼビオ・シェイデ大司教は、やはり葬儀参列に訪れたローマで記者会見し、「ルーラ大統領はカトリック教精神を持ち合わせていない」とした上で、「今回の葬儀参列は単なる政治宣伝だ」とまれに見る厳しい非難を行った。
 大司教によると、ローマ法王庁はカトリック教の頂点で、外部からの内政干渉を一切受けない不文律がある。にもかかわらず大統領は次期法王候補のクラウジオ大司教を「ブラジルの誇りで支持する」と公然と発言した。
 さらにシェイデ大司教に大統領専用機への同乗を誘ったが、ローマ法王庁は政治と融合してはならないことを認識していないと指摘した。また教会側が非人道的だとして反対している妊娠中絶やゲイを容認したことはカトリック教徒ではない証しだとしている。とくにゲイについては大統領個人が教会に約束しておきながら、党に押し切られて容認したとして痛烈に非難した。大司教の発言に対し、大統領や政府筋はコメントを避けている。

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