4月9日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】リオで先月三十一日に発生した市民三十人の無差別射殺事件で、犯人だった軍警らの所属していた軍警第十五大隊の司令官、ロペス大佐(51)は、事件発生前に死の脅迫を受けていたことがエスタード紙のインタビューで明らかとなった。
無差別射殺事件の前日の三月三十日には、同大隊の中庭に首が投げ込まれる事件が発生。同大佐に対する死の脅迫はその前日、警官の使う無線で行われた。「ロペス大佐は金曜日(四月一日)を迎えない」「ロペス大佐は死ぬ」―。首が投げ込まれた後には、「次の首は警官のものだ」と匿名の脅迫電話が入っていた。同大佐は電話の声の主にすぐ察しが着いたという。
死の脅迫は怖くないと話すロペス大佐は貧困家庭の出で、軍警として三十二年間勤務。汚職で更迭された司令官に代わり、昨年七月に同大隊の司令官に就任した。ロペス大佐は就任後、署内で汚職が発覚すると関与した警官を即刻処分し、綱紀粛正を徹底した。あまりにも強引なやり方のため、職権濫用の疑いがあるとして州議員が特別調査委員会の設置を請求したほどだった。
執務机の上に常に二冊の聖書を置く新教徒でもある同大佐は、「ただ法律を遵守しただけ。統率のない警察は強盗と同じ」と署内の規律と署員の教育の重要性を訴える。「追及の手を緩めれば悪ははびこる。自分は悪と戦う。悪徳警官らは高いツケを払わねばならない」とインタビューを締めくくった。