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パラナ州でコチア青年の貢献を見る=サンパウロ組、仲間たちと交流(2)オランダ人に学ぶべき=ゆとりある生活を

4月9日(土)

 パラナ州のカストロ郡に沿ってイアポ川が流れている。かつて、リオ・グランデ・ド・スル方面から十万頭を越えるロバが北上してミナス・ジェライス方面に送られた。川が流れているため、宿場町として栄えた。カストロという町ができたのは三百年も前の一七〇四年のこと。今でも古いたたずまいの様相を見せているが、コチア青年(第一次十六回)の香川公宏(徳島県)がこの町に来た一九五九年当時の人口は約一万人だった。今は七万人に膨れ上がっている。
 カストロ一帯は農業適地であり、生産性は全国一を誇っている、と香川。石灰の生産量も全国(ブラジル)一であり、それが農業振興の大きな一助ともなっている。土地の中性化に役立っているからだ。今は約八十の日系家族が住んでいる。
 農業に熱心なのは日本人移民だけではない、オランダ人もだ。「農業にかけては、今はオランダ人が日系人を凌駕していると思う。われわれは学ぶべきだ」と香川。小池清一郎(群馬県、第二次十二回)も同意見だ。
 二人は、サンパウロからの交流団を、二〇〇一年に創立五十周年を迎えたというカストロランダ(Castrolanda)というオランダ移住地に案内した。立派な街並みがオランダを彷彿させている。乳製品などで知名度の高いバタボ農協の発祥地でもあるという。中心地に母国オランダから寄贈されたという大きな風車小屋が建っている。農業後継者が着実に育っている姿は日系社会と対称的だ。住居も広い庭をかかえて、ゆとりある生活を営んでいるようだ。香川が言う「われわれは学ぶべきだ」は着実な後継者育成とゆとりある生活を指しているのであろう。 今回のコチア青年交流団は時間の制約があり、通り過ぎのカストロランダ訪問であったが、時間をかけて、学ぶ姿勢で訪問する価値を備えているオランダ移住地があることを知った。つづく(文中一部敬称略)