中国の反日デモが大きな広がりを見せている。九日に北京で始まったデモは日本大使館と公邸にまで押しかけ「日本の常任理事国入り反対」「日本商品ボイコット」を訴える。デモ参加者の過激派には石を投げ付ける者もいて大使館の窓が割られたりもした。この不穏な動きは翌十日には広東省広州市にも飛び火し2万人規模のデモに発展し見物人が1万人も集まったという▼こうした動きは香港に近い深せん市にも広がり1万人余りのデモがあり5時間に亙って抗議行動を展開しているから「反日デモ」は中国の多くの地域に広がったと見ていい。日本の教科書検定や靖国参拝などに反発しているのだけれども、すべては江沢民氏が主導した「反日教育」が、今もきちんと生きていると実感する。米英の有力紙も報じているように、中国政府が、こんな無謀なデモに対して暗黙の了承をしているらしいのも問題である▼これは中国外務省の言動にもはっきりと現れている。阿南惟茂大使が九日に喬宗淮次官に抗議すると、次官は「心からお見舞い申し上げ遺憾の意を表明する」と陳謝している。ところが十日になると、秦剛・副報道局長が、町村外相の謝罪と損害の賠償を求めたことに「中国に責任はない」とし、日本側要求を拒否している。これは中国外務省が、この不祥事の発生で内部混乱しているに違いない▼あの原潜の領土侵犯でも中国は謝罪はしていない。この程度のデモで何を今更の考えかもしれないが、中国の20代や30代の対日観には大いなる誤りがあることを告げて置きたいし、もっと正しく客観的な日本観を持って欲しい。 (遯)
05/4/12