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05年4月第2週=貿易黒字が過去最高=ドル安の中で健闘=ブラジル産業界の底力見せる=4月下旬以降輸出に陰りか

4月13日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】ドル安でブラジル製品の国際競争力が低下し輸出が危ぶまれる中、産業開発省は十一日、四月第二週の貿易収支が十一億ドルの黒字と過去最高を記録したと発表した。同週の輸出は二十三億七千七百万ドル、輸入は十二億七千七百万ドルだった。四月初旬の輸出は一日平均で四億九千四百二十万ドル、昨年同期比で五〇%増の成績。二〇〇五年の貿易黒字は、累計で九十七億千二百万ドルに達した。昨年の貿易黒字は同時期六十七億千万ドルだった。
 〇五年四月一日から十日までの輸出総額は、昨年同期比二七・六%増の二十九億六千五百万ドル、輸入が二一・七%増の十五億七千二百万ドルとなった。同時期の貿易黒字は十三億九千三百万ドル。輸出業者の団体が八日に為替対策要請のマニフェストを政府へ提出した中での思わぬ成績だった。
 企業家らは〇四年下半期に為替率が妥当だった頃の注文を現在出荷しているのだという。四月下旬以降、輸出に陰りが見え始めると輸出業者らは予測する。現行の為替レートでは、輸出価格の引き上げを余儀なくされるというが、現在まで陰りが見えたのは製靴だけである。
 外国貿易局のデータによれば、原材料輸出は三月に昨年同期比で下げたが、四月から再び上昇している。大豆の収穫は四月から始まる。大豆の船積みが始まると、月間輸出高は九十億ドルを超える。四月の原材料輸出は、昨年同期比で五六・三%の増加が見込まれている。主なものは原油と綿、鉄鉱石、豚肉、牛肉、鶏肉、コーヒー、大豆など目白押し。
 半加工品の輸出は、昨年同期比で九三・六%増となっている。半加工品の内容はピッグアイアン(銑鉄)や鋳物、アルミインゴット、ニッケルカソード、粗糖、合成ゴム、パルプ、木材など。
 為替の影響を敏感に受ける加工品は、昨年同期比で三八・四%と堅実に伸長している。特に輸出のけん引役となったのが、発信機と受信機、ポリマーエチレン、鉄鋼圧延板、乗用車、精製砂糖、ポンプ、コンプレッサー、エチルアルコール、車両用エンジン、自動車部品、高級靴など。
 輸入では鉄鋼製品が昨年同期比五六・七%増、他に穀類と粉末類が五三・一%増、薬品三三・七%増、電機機器と電子機器三三・三%増、プラスチック製品三一・九%増。
 農産物輸出は干ばつの被害が大きかったに関わらず、第1・四半期で昨年同期比一二・一%増の八十七億八千八百万ドルを輸出した。昨年同期の輸出は、七十八億三千八百万ドルだった。ブラジルの農業は異常気象に悩まされたが、中西部と南部の一部地域はアグリビジネスに強気である。干ばつの被害は、千二百四十万トンと推定される。
 農産物輸出のけん引役は、豚肉を始めとする肉類の十四億ドル。昨年同期比二五・七%増と堅調。他にアルコールと砂糖の輸出も、昨年比五七・三%増の八億九千八百十四万ドルを輸出した。大豆輸出は国際相場の低迷で例年のような活気はないが、数量で昨年比九%増と増えている。大豆と加工品の国際価格は、昨年比二〇%も低下した。