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ブラジルはマネロン天国=高度化する手口取り締まれるか

4月13日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】ブラジル国内でマネーロンダリング(不正資金洗浄、以下マネロン)が年間百億レアル行われている。政府は法務省と連邦警察の提案により麻薬や密輸、誘拐、汚職など八項目に絡むマネロン対策法案を議会へ上程する。
 これまでの資金洗浄の最高記録は、旧パラナ州銀から外国へ送金された千六百万ドル。これまでの法令九六一三号は関連犯罪から免れる欠陥があって、ざる法だった。
 稀代の知能犯とされるベイラマールは、サンパウロ州の第一級刑務所で服役しているが、毎月配下から高額の配当金を受け取り、ぜいたく三昧の王侯生活をしている。これは欠陥法のお陰だ。
 まず指摘されるのが、マネロンの定義と立件の手続きが複雑なこと。それから犯罪組織の資金源を断つのが遅く片手落ちだったこと。資金源を断つためには、組織内を流通する資金の流れを止め、組織の所有物という確認がなくても差し押さえる必要がある。
 マネロン防止法は、世界同時進行で検討されている。マネロンで立件され二年以上の刑に定められたら、初犯として認めない。マネロンの常習犯とされ、犯罪組織と関係を持つ要人として逮捕する。
 マネロンを審理する判事や検察官は勉強不足で、金融市場での決済法や暗号解読など高度化された手口が分からなかった。犯罪組織は銀行取引や保険業務、証券市場、リース企業、クレジットカード企業などの隙に潜りこんでいる。
 最近はオンライン送金やIT技術革新によるオフショアなど,マネロンの新手口が次々登場している。今日の常識では追い付けない速さで金融経済が進み、まさにブラジルはマネロン天国になっている。
 ブラジルの司法制度は遅れながらもマネロンを取り締まるのか、手遅れになってから取り締まれないことを悟るのか、対応が注目される。