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イタマル駐伊大使、更迭へ=任務果たさずと内外から批判

4月14日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ルーラ大統領はイタマル・フランコ駐イタリア大使の更迭の腹を固めた模様だ。同大使が側近に語ったところによると、ローマ法王の葬儀に参列した大統領やセヴェリーノ・カバウカンチ下院議長から、来年の上議選あるいはミナス州知事選に出馬するよう要請されたことで、事実上の大使解任と受け止めたという。
 ルーラ大統領は、元大統領という同大使の実力を高く評価するとともに、野党ブラジル民主運動党(PMDB)の大御所として、国内では目の上のたんこぶになる恐れから、外国に常駐させたい意向を示してきた。しかし内外から同大使は本来の任務を全うしていないとの批判が高まっていた。
 イタリア外務省からも、大使は郷里のミナス・ジェライス州ジュイス・デ・フォーラ市に里帰りしてばかりで、肝心の政府折衝ができないとの苦情が寄せられていた。そもそも解任の発端となったのは、ローマ法王の葬儀参列前の会見で、同大使がルーラ大統領を十五分待たせたことに関係者が腹を立てたことだったという。
 同大使館はローマ名所のナヴォナ広場の一等地にあり、大使の給料は一万二千ドル(現行レートで三万八百四十レアル)。ミナスへの里帰りも含め費用は一切国が負担、九人の使用人がいる。