4月15日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】自由貿易国であるパラグアイは、ブラジルへの密輸のメッカとして知られている。その中で新手の密輸が登場した。今回は製品ではなく博士号、修士号の「免状」だ。
同国では一年間で最高四週間から六週間の講義出席で免状を取得できるとあって、人気を呼んでいる。これまでに一千人が取得し、今後もさらに増える見込みだ。
同国の首都アスンシオンにある三つの大学がこの制度を導入しており講師のほとんどは、ブラジルの大学講師が招待されている。ある講師はスペイン語の資料をとり揃えて出かけた所、教室内は全てブラジル人学生で驚いたという。中にはサンパウロ市やリオ市で出張授業を開き、学生に便宜を与える大学もある。
ブラジル教育省内で外国で取得した学士号の切り換えを認知する機関は、「単にべらぼうな学費を取ることを目的とするパラグアイの大学での授業には疑問があり、学士号などの質を満たしているとは思えない」とした上で、ブラジルでは効力がなく、切り換えは却下するとの公式文書を発表、各関係者に送付した。
これに対しパラグアイの大学側は、全て合法的に行われており、学士号の免状の発行は大学の基準に従った正当なものだと反発している。
同国の教育相はこれまでに例のない問題で、調査や基準設定には時間がかかると困惑気味だ。