4月15日(金)
【フォーリャデ・デ・サンパウロ紙十三日】サンパウロの日本食レストランは、サンパウロ市当局と並行して独自にサケの寿司・刺身の品質について調査を始めた。うち二十軒が、レストラン業界で細菌・微生物を専門に研究している試験所、「フード・セーフティ」に分析を依頼。人の体内に入ると、腸への感染を引き起こす広節裂頭条虫の存在を調べる。この寄生虫が魚介類に住み付く恐れがあるからだ。
四件の結果は、ネガチーボだった。レストランはそれぞれ、五つの見本を分析に回した。残りの鑑定書は、きょう十五日までに出来上がる。
二〇〇四年三月から〇五年三月までに、大都市圏で二十八人に寄生虫の感染が認められたことによって、日本食レストランの売上げは六〇%落ち込んだ。サンパウロで販売されている寿司・刺身の半分は、サケだという。
リオデジャネイロとベロ・オリゾンテでも、病気の発生が記録され、連邦直轄区で一件が調査中だ。
レストラン・ナコンビのパウロ・バロッシ氏(ブラジル日本食協会)は「サケだけでなく、日本食全体が非難を受けている」と懸念を表明する。
またサケが寄生虫を持つことの具体的な証拠が、まだ挙がっていないと主張。「それが事実だ、との疑いが持たれている段階だ」と述べた。
同氏によると、サケは年間三千万切れが給仕される。「このうち二十八件だから、感染する危険は〇・〇〇〇〇九%だけ」。
さらに魚介類の条虫と、同系となる赤肉の寄生虫の数を比較。サンパウロ市のクリニカス病院で三月、百五十人の患者を応対した。条虫による感染は胃腸炎の原因になり、重症では貧血を起こす。
保健省の指針により、先週からサンパウロ市内のレストランは、既にチリで冷凍された食品を用意している。
レストランの懸念材料は、生の魚を食べて感染した場所がどこか挙げられておらず、潜在的にすべてに疑いが持たれていることだ。チリ政府による細菌・微生物分析の鑑定書は、ブラジル向けサケに寄生虫は検出されていないことを証明している。