ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | MST、財務省本省に侵入=約6時間立てこもる=農地改革予算削減に抗議

MST、財務省本省に侵入=約6時間立てこもる=農地改革予算削減に抗議

4月16日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】農地占拠運動(MST)の下部組織、農地解放運動(MLST)のメンバー一千五百人が十四日、ブラジリアの財務省ビルに侵入して約六時間立てこもった。土地なし農民への無償分譲が遅々として進まないことと、今年の予算から農地改革のための予算が削減されたことに抗議したもので、暴力や破壊行為がなかったためけが人は出なかった。
 一行が引き上げた後は、清涼飲料水のビンや食べ物のカス、紙くずが散乱しマナーの悪さが目立った。また子連れが多く、子供がいれば警官や警備隊が過激な振るまいをしないだろうとの打算が見え見えだった。
 抗議デモはMSTが今月計画している一斉蜂起の一環で、農地改革の予算削減に対し、財務省ビル前で抗議集会を開いた。群衆は口々に「予算よこせ」「米とフェイジョンよこせ、パロッシ(財務相)は泥棒だ」と叫びながら、同財務省とロセット農地改革相の棺桶に見たてた木箱を焼いた。
 その後、群衆は一斉にビル内に突入し七階までを占拠した。しかし職員がバリケードを張って執務室への侵入を阻んだため、廊下や待合室にたむろするにとどまった。またグループリーダーの標的は五階の財務相の部屋だったが同相はサンパウロに出かけて留守だった。
 ビル突入を警備員らは予想していたが、応援隊が間に合わず手の打ちようがなかったとしている。いっぽう職員らは、一行が暴力を振わないと約束したことで警官の出動を要請しなかった。財務次官が応対し、主旨を大統領に伝えることと、可能であれば大統領との面会の機会を作ることを約束したため、一行は引き上げた。
 いっぽう、パラー州ベレン市で十四日、農民三百人が農地改革院(INCRA)州本部に侵入、職員との間で衝突が起き、職員一人が農民らに暴行を受けて負傷した。農民らは同ビル前で抗議集会を開いていた。侵入後、職員を閉じ込めて外出を禁止したため混乱した。警備員がピストルを空に向けて発砲するなど一時は険悪な雰囲気に包まれたが、同院代表と話し合いがもたれることで騒ぎは収った。