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原発公団総裁が辞任=原子力政策めぐり政府割れる

4月16日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】原子力発電公団のジエーリ・D・T/フィーリョ総裁が十四日に辞任、同公団のパウロ・フィゲイレード氏が新総裁に就任した。辞任後にフィーリョ氏は、その理由として、原子力発電所アングラ三号機の建設続行だけでなく、平和利用を目的とした原子力開発計画の推進を頑なに擁護した結果だと述べ、原子力政策について鉱山動力省(MME)との見解の相違を明らかにした。
 アングラ三号機の完成をめぐっては、同省と、大統領府官房室、科学技術省との間であつれきが発生していた。政府内にはジルセウ官房長官をはじめとする一派が、国連安保理入りも視野に入れつつ原子力開発を擁護する一方、鉱山動力省は水力発電を中心とするエネルギー政策の策定を検討しており、原子力発電のコストが電力料金に転嫁されることを憂慮していた。
 十三日に開かれたエネルギー政策審議会で、鉱山動力省は環境省とともに、二〇億レアルの予算がついたアングラ三号機の建設反対を表明した。同日、ジルセウ官房長官は建設再開賛成を表明、科学技術省の立場を支持した。
 ブラジル原子力協会のクラモト会長は、アングラ三号機の完成はブラジルの原子力技術の水準を維持し、全世界で一八〇億ドルとみられる濃縮ウラン市場に参入する唯一の方法だと、官房長官の表明を歓迎した。リオデジャネイロ州レゼンデ市に建設されたウラン濃縮施設がフル稼動し始めた時に参入が可能で、それにはアングラ三号機へのウラン供給が欠かせないという。