4月16日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】アフリカ諸国を歴訪しているルーラ大統領は十四日、最後の国となるセネガルを訪問した。同国ワデ大統領との会談を前に訪れたゴレー島に再現されている「奴隷の家」で、感極まって涙しながら謝罪の言葉を連呼した。
十六世紀から十八世紀に奴隷として連行された収容所を再現した「奴隷の家」は、一九七八年にユネスコにより建設された。その悲惨さに随行した政府要人も一様に涙を流した。死去したローマ法皇も当地を訪問した際、謝罪していることから、ルーラ大統領は図らずも同様の所作を取った。
奴隷らはこの地から八カ国に向かったが、ブラジルは彼らを最も多く受け入れた国だった。大統領は記者団に対し、「先人になり代って謝罪した」と述べた上で、奴隷はユダヤ人迫害と並び、人道上世界最大の汚点だとし、過去の歴史は認識していかねばならないことを強調した。