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弓場農場初めてラーメン祭り=珍しい!500人参加=独自の麺づくり=日本祭りに〃進出〃を

4月16日(土)

 「ラーメンがこれほどまで評判になるとは予想もしなかった」とは去る九日、初めてのラーメン祭りを行った弓場農場の人々の驚きの声だ。当日は、同じ時間帯に近くのミランドポリス市でうどん祭りが、アンドラジーナ市で盆踊りが、それぞれ行われていた。弓場農場は両市の中間に位置している。にもかかわらず、〃ラーメン〃の威力が五百人もの来場者を呼び込んだのだ。結果は大好評で「毎週、それがダメなら月に一回でも、開いて欲しい」という希望が続出した。強い希望に応えて、八月に第二回目の祭りを行うことになった。
 嬉しい悲鳴に違いないが、近所付き合いに押し切られた格好だ。もとより〃ラーメン〃そのものが美味しかったことは事実だ。一人で三杯も平らげたつわ者もいた。小麦粉・鶏卵・油・塩を混ぜた材料を練って、二十四時間寝かせた。水を一切使わないため「練るのに苦労した」とは担当の弓場的(ひょう)さんの言葉だ。
 弓場伝統の手づくりメン(麺)には腰があり、歯応えがあるのは水を使わず、一晩寝かせることに秘訣がありそうだ。寝かせた材料を祭り当日、機械で丹念に練り、それを延ばしてメンにした。
 今回はスープにトン骨を使った味噌味に統一した。チャーシュウも自家製だ。弓場農場七十年の伝統が万遍なく活かされた自信のメンだ。祖父母に連れられて来たというフォルモーザ移住地の香林ハルオくん七歳とヒサミちゃん四歳は「ラーメンを初めて食べた。とっても美味しいかった」と喜んでいた。
 第二アリアンサの貞池徹平・弘子夫妻、長男の勝男・ゆきえ夫妻、孫のヒデキくん十歳とみさえさん八歳、の一家も同じような感想だ。
 第一アリアンサのアル・パレー・ひとみ夫妻と息子のジエゴくん七歳も満足だったようだ。子供が喜んで食べる料理は本物だ。ラーメン祭りながら、用意した巻き寿司、ギョウザ、ヤキトリ、お土産のあんぱん、ユバ味噌、甘味噌、佃煮、カリントウ、シイタケ煮、さらには自家製のオレンジジュースなど、完売となった。
 このラーメン祭りは青年部が中心になって企画したもの。終わった直後、食券販売、会計、食器洗い・整備、注文を取るウエイター、接客、ラーメンの味の種類、など十六項目で反省点があった。
 弓場農場総出の共同作業だったが、この種の行事は初めてのため、事前の打ち合わせが不十分だったようだ。が、反省点の十五番目に「全体的に”おいしい!」「雰囲気がとても良い」「毎週やらんかね、ダメなら月に一回とか、と好評だった」と記述されている。
 弓場農場はサンパウロでの日本まつり参加に自信を深める貴重な体験をしたようだ。
 「ユバはまだ健在だね」という弓場常雄・農場代表の言葉に一同の気持ちが凝縮されており、青年部の弓場大五くんや熊本小次郎くんは「新たな挑戦に気持ちの高ぶりを感じる」ともらしていた。