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なま魚の誤解解きたい=日本食製造側、大滝さん強調

4月19日(火)

 「生(なま)の魚を食べると広節裂頭条虫類の寄生虫に感染するから危険――こうした話の流布は日本食製造販売業者の営業、従業員の生活を脅かす。誤解を解きたい」と『Bistro Kazu』社(ヴィラ・マリアナ)の大滝智生さん(製造責任者)が、十五日、伝えてきた。同社は、一日平均弁当二百五十食、寿司五百食を製造する。売上げの七〇%近くが寿司、その寿司の六五%ほどが生食用鮮魚を使った製品。
 大滝さんによると、去る十四日までの一週間、にぎり寿司、刺し身の売上げは通常の三〇%まで落ちた。一部小売店からも製品の納品を拒まれている。同業者も同様の苦境にあるといっている。
 大滝さんは強調したのは、(1)魚は種類、捕れた場所、季節によっても変わる。(2)知識があれば、生魚を食べて寄生虫に感染するというのは確率からして非常に難しい(少ない)ことがわかる。(3)危険なのは、魚を生で食べることに対して、ブラジルでは歴史が浅いこと。(4)寿司、刺し身に添えられる山葵(わさび)、紫蘇(しそ)は、毒消し、防腐、虫下しとして、日本人の先祖が考え出した知恵だ。(5)今回の生魚・寄生虫騒ぎは、主にチリ産の鮭が感染源だろう、というのだが、はっきりした原因はわかっていない。