4月19日(火)
「いいじゃない。選挙ならだれも文句ない」。創立会員の岩崎秀雄元会長(83)。ただ、複雑な思いも。「自分の時代は会長になりたい人がいなかったからねえ。百年祭を控え、魅力的に映るのかなあ」
顔のケガが痛々しかった後藤粂蔵さん(98)。それでも、家族に付き添われて投票所までやってきた。「上原さんが好きだから。人物がいいね」。現体制の続投を望んでいた。
ブラジル代表監督としてバトントワリングの普及に励む簾田武志さん(27)は文協体育館での練習活動を認めて欲しいという。「卓球と剣道以外のスポーツが平日借りられないのは閉鎖的だと思います」と、批判の一票を投じた。
コロニアの「元老」野村丈吾元下議(85)は投票会場を見渡して、「わたしも昔は政治家。血が騒ぎますね」。選挙前、高等審議会を開き、三候補に「統一シャッパ」を要請していたが、「これで良かったのかもしれない。それぞれが立場を貫いて正々堂々と戦っていることは若い世代の手本にもなる」と評価した。
文協の歴史を四十六年間見つけ続け、一昨年急逝した安立仙一前文協事務局長の妻、由紀子さん(70)も投票に訪れた。
「主人のときも大変だった思いますけど、民主的でいいんじゃないでしょうか」と静かに微笑んだ。安立さんの誕生日だった九日、現在の文協の様子などを墓前で報告したという。
カンポス・ド・ジョルドン市から駆けつけた八十代の女性は戦前一世の創立会員。
「百周年までは一世の手でやって欲しい。ポ語も大切だけど、日本語をこれからもっと大事にしていってほしいと思います」