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IMF卒業は政治判断=独自の政策実施可能に=実力をつけたブラジル経済

4月20日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】外国紙はいっせいに、パロッシ財務相が国際通貨基金(IMF)の融資協定の更新中止を次のように報じた。こうした件は経済スタッフがその結果を技術的に分析してから決定すべきことだが、財務相が政治的に判断して決めたという。
 融資協定の更新中止は、三つのことを意味する。一、融資残高の二百六十億ドルを返済するにはよいチャンスである。二、IMFの無理な要求を達成する理由がなくなった。二度とIMFへ、駆け込むことが無ければだ。しかし経済政策を変更する危険がないというわけではない。三、定期監査から解放され、自由に方針が決められるようになった。
 もし協定を更新していたら、バカにできない利点がある。二〇〇四年の貿易黒字位のIMF資金がわずかな費用で調達できる。この資金は緊急用の準備金として保管できる。他に否定的見方をするなら、米連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合を続騰させ、国際通貨危機が発生するという、思わぬカントリーリスクを背負い込む可能性がある。
 協定更新の利点は、まだある。国際金融界にとって、安全の保障となる一定の資金枠ができる。この資金枠はIMFが管理する。このシステムは、ブラジル政府が拙劣な経済政策を採用するのを防ぐ効果がある。
 協定更新の中止がもたらす利点は、IMF不要宣言が現政権が一人前になったことを意味する点。現行政策が外国政府から認められ、一挙一動について批判されない。経済基盤の強化でIMFから干渉されない。独自の政策が許される。
 ブラジルが十二月から三月にかけて為替危機に見舞われたとき、中銀と国税庁はIMF融資金の半分相当の資金を独力で調達し、為替介入を行った。IMFの助力を求めずに独自介入し為替危機を克服したことは、ブラジルの実力を見せつけた。
 独力でこれだけのことを敢行するには、政治的裏付けが必要だ。ルーラ政権は〇二年六月、公共債務の管理と均衡財政、財政黒字の計上を公約した。ルーラ政権は前政権に続きIMFとの契約を守った。そのIMF協定に対し、終了宣言を行ったのだ。これからは押し付けられた経済政策ではなく、独自の経済政策を披露すると思われる。
 パロッシ財務相は腕前の程を見せたのだから、堂々と反パロッシ派に言いたいことを言えばよい。労働者党(PT)左派に対し、IMFと背後で後押しする先進国の監視からブラジルを解放したことを誇ってよい。