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定期評議員会・総会=文協=執行部への監視強化を=出席者わずか約60人

4月20日(水)

 ブラジル日本文化協会の定期評議員会が十六日午前九時二十分から小講堂で行われた。「このような重大事にこそ評議員会の存在意義が問われている」などの意見が出され、必要があれば年に何回も招集し、理事会への助言や、その活動を評価する役割を行うかどうか検討することが申し合わされた。
 「今は大事な時期。評議員会を招集して、次期文協会長について話し合っていてもよかったのでは。そうでなければ存在意義がなさ過ぎる」。午前四時に起きてイタペチニンガから参加した尾崎守評議員から、繰り返し発言があった。
 渡部和夫評議員はこれに同意し、「選挙後すぐに臨時評議員会を召集して、投票結果を評価してもいい。もっと執行部に対する管理を強める必要がある。シャッパを評議員会で審議して候補者に対して拒否権を持たせるなど、もっと影響力をもった組織にしてもいいのでは」と語った。
 中川デシオ評議員から「五月に臨時評議会を召集し、これらを話し合うことを採決すべき」との提案があり、その場で承認された。
 また、尾崎評議員からの指摘で、日本語定款に誤訳があることも判明した。
 日本語では第7条C)第2項には、会員の権利として「選挙権および被選挙権は、選挙前年の十二月三十一日までに入会した会員にのみ認められる」とあるが、今回の選挙は三月末までに入会したら投票できることになっており、「今回の選挙は定款違反のおそれがある」と指摘した。
 これに対し、公証翻訳人でもある大原毅評議員会長は、「ポ語の定款には、被投票権しか書かれていないので、翻訳の間違い」と判断した。
 創立会員の原沢和夫さんは、「日本語定款が間違っているというのは大問題。こんな大事なことが発見されたのが、選挙の数時間前。今後、このような大きな間違いはないようにお願いしたい」と要請した。
 大原会長は、「何回か日本語でも読んでいたのに気付かなかった。もれたのは残念です」と応えた。
 当初、理事会同様に投票で評議員会役員の正副会長を決める手はずだったが、出席者から「シャッパが一つなら、いつも通り拍手でもいいのでは」との提案があり、最終的には拍手で承認された。
 会長=大原毅、第一副会長=池崎博文、第二副会長=本田剛、第三副会長=多良間俊彦、第一書記=平田光男、第二書記=水本エレーナ、第三書記=河野ヨシオ(敬称略)。第一書記だった原田清氏の辞任も承認された。
 前年度の事業成果の評価、〇五年度予算案も提示され、その場で承認。十一時二十分に終了した。
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 続いて、午後一時二十分から第二十九回定期総会が開催され、千二百人収容の大講堂にも関わらず、わずか六十人あまりの参加者しかなかった。
 最初に、決選投票の日時に関して、大原評議員会長から五月七日にする提案が出た。下本八郎氏から「定款では、今日で現執行部の任期は終わり。空白期間が三週間は長すぎる。一週間後の二十三日で十分」との意見も出され、結局は三十日の午後二時に決まった。同日午前中には百周年総会がある。
 伝田英二副会長から〇四年会計報告が行われ、総収入二百四万六千百四十五レアル、総支出百八十二万レアルで、二十万五千五百九十四レアルの黒字会計となったことが報告された。職員の退職金などで〇三年度は十万以上の赤字だったので大幅な改善となった。
 〇三年度に比べ、収入が四%減ったが、支出は一八%も削減されたため、結果的に残高を膨らませた。
 〇五年度予算案は長尾マルセロ企画・予算担当理事が説明。昨年末に作った予算案に抜けていた文協五十周年記念事業委員会の項目が付け加えられた。同委員会の収入支出とも十万レアル。総収入は百九十五万七千九百三レアル、総支出は百九十三万レアル六千八百十レアルで、残高は二万千九十三レアルのみ。
 昨年前期だけで四万二千六百八十一レアルの黒字を残した日本語講座が日文連に委譲されたことや、昨年に引き続き日本館の補修費用(二万五千レアルの赤字)がかかるため、黒字額はおさえられる予想だ。
 文協は五十周年記念事業には三百七十六万レアルの予算を組んでおり、文協本体の予算総額の二倍近い。その大半が寄付金収入に頼っているが、その状況説明は一切なかった。
 来賓の丸橋次郎首席領事は、「選挙で、どなたが選出されても一枚岩となって、五十周年、百年祭という大きな行事に邁進してほしい」と挨拶した。
 JICAサンパウロ支所の石橋隆介次長は、「選挙後、敗れた人は勝った人に協力し、勝った人は少数意見を尊重してほしい。それでこそ、本当の民主主義だと思う」と語った。
 午後三時にいったん定期総会を中断し、午後五時半から大講堂ステージ上で開票。午後七時に原田清選挙管理委員長は投票結果を発表し、閉会となった。