4月20日(水)
デカセギ帰りには〃花の都〃パリでカフェ?!―。 ここ数年、日伯間の航空路線図が大きく塗り替えられている。ツニブラ旅行社の大滝昌之取締役は「全体的には、だいぶ大西洋へシフトしている」と実感する。かつて移民船にはパナマ周りとインド洋周りがあったが、航空路も選ぶ時代になってきた。
太平洋路線の利用者が減ってきたのは、通過ビザの必要な米国経由便を敬遠し、欧州周りへと乗り換える人が増えているため。米国での同時多発テロ以前は「欧州経由便は、我々にもお客様の頭にもなかったが、現在はだいぶ意識が変わってきた」と大滝さんは言う。
欧州周りでは英国航空(ロンドン経由)、エアフランス(パリ)、アリタリア(ローマ、ミラノ)、ルフトハンザ(フランクフルト)、バリグ―ANA(パリ)、TAM―JAL(パリ)などの路線がある。
値段的には、北米周りよりも「値段は若干高めで、予約がとりづらい」状況のようだが、ビザ手続きにかかる費用や日数の問題、ビザを要求する米国の姿勢への反発などから、日本人・ブラジル人ともにビザの心配のない欧州経由便がじわじわと浸透してきている。
例えば、昨年十月から運行を開始したTAM―JAL便では、サンパウロ―パリを飛ぶTAMは週に十便あり、その先JALによるパリ―東京は週十便、パリ―名古屋は週七便。加えて、TAMは六月から一日二便をパリまで飛ばす予定で、さらに便利になる。
ニューヨーク経由のJAL便は週三回しかないので、パリ経由はより選択の幅が広い。荷物も、三十二キロを二つと太平洋路線と同じだけ積め、グアルーリョス空港で入れた後は、日本で受けるだけ。
日本へ行く時はパリでの乗換えが三時間だが、ブラジルに戻る時は七時間。旅行業界関係者は「バスやタクシーでエッフェル塔を見物し、シャンゼリゼ通りでカフェを飲んで、みやげ物を買ってから空港に戻っても時間がある」という。
残念ながらまだ、この待ち時間を利用した市内観光ツアーをパッケージにした旅行社はまだないようだが、いずれ利用者が増えれば可能性がある。つまり、デカセギ帰りにパリで観光を、もありえる。
日本からこのチケットを買う場合、デカセギがよく使うような日系旅行社でないと入手できないよう。
ビジネスクラスの場合、ニューヨーク経由の四七便の座席は百五十二度しか倒れないが、パリ経由ならTAM―JALともにフルフラット(百八十度)となり、さらに快適になる。
次の訪日、あなたは西回り派、東回り派?