老人クラブ連合会では、学び楽しむことができる教室が増え、教室の〃はしご〃(梯子)をする人もいるという。お昼をはさんで、午前中と午後の教室両方を受講するのだ。事務局が、こうした希望者たちのために、外から弁当をとってくれることもあるらしい。もちろん「費用は自己負担」▼サーラで仲間同士おしゃべりをしながら、食事をする楽しさはまた格別。子育てから解放され、一家の主婦の座からも離れ、自分の時間をより多く使える幸せ。筆者の周囲にも、八人の子を育てあげ、いま「踊り」「俳句づくり」を、毎週、欠かさない女性がいる▼老いても自家用車を運転して会場まで送迎してくれる夫がいれば、もう言うことはない。ヴィウバになったとたん、元気になったという人もいるというから、こんな人には送迎話はないが…▼さて、老ク連の教室に参加している戦後移住一世は、戦前、尋常小学校に在学していた層だ。スパルタ教育とかで、教師たちは、いかめしい顔をして、生徒をホメることなどめったになかった。だからホメられたことがない年代だともいえる▼そうした人たちが、絵画や書道の講師から、今、「よくできました」とホメられている。こんな嬉しいことはない。子供のように嬉しさ、喜びを身体で表せない分、身体のなかにそれを閉じ込め、最高の気分である▼少壮の頃、やりたかったが、やれなかったことを不自由なく実現している。老ク連の教室が、もっと増えればいい、そんな望みもあるかもしれない。 (神)
05/4/20