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誘拐事件、増加に転じる=殺人、盗難全体は減少傾向=サンパウロ州

5月4日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三日】二年前から減少傾向にあったサンパウロ州内の誘拐事件が、今年の第1・四半期に再び増加に転じ、関係者らを憂慮させている。
 サンパウロ州保安局は二日、四半期ごとにまとめている犯罪統計を発表。サンパウロ州内で発生した誘拐事件は二〇〇五年第1・四半期に二十八件と、前年同期比の二十二件から二七%増加した。サンパウロ市内の事件は十四件から十八件へと、二九%の増加となった。大サンパウロ市圏では横ばい、地方部と海岸部で増加傾向にある。
 また、自動車の盗難は五%、貨物強盗が六%増加する一方で、凶悪殺人は七%、強盗殺人は一五%、自動車を除く盗難全体は八%減少した。
 「残念な結果だ。誘拐事件はゼロにしたかった」とフィーリョ保安局長は同日コメントし、特に地方部で行われている誘拐犯グループの再編が今期の増加につながったと説明した。しかし、同局長は百十件を記録した〇二年第1・四半期と比べれば誘拐事件は激減したことを強調、今年の第2・四半期以降も増加がつづくことはないだろうと予測した。
 誘拐事件の専門家らは、事件の減少には人質の監禁場所などの告発の促進と、提供された情報を分析し捜査につなげる効率的な捜査体制の確立が必要だと話す。サッカー選手の母親などが誘拐されると告発電話が増えることから、告発を人々に訴えるキャンペーンの重要性を指摘している。