5月4日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四月四日】十一月二十六日のエスタード紙ポン・デ・アスーカルの広告にコーヒーの香りが刷り込まれていた。いまや市場には、新車やバラ、ポップコーン、化粧石鹸などの香りが思いがけない所で使われている。
化学を専攻した技術者は、三千以上の化学薬品を使って色々な香りを作り出す。それぞれの技術者は、特有の香りを作り出すノウハウを秘儀としている。木材や木の葉、花などと化学薬品を調合した昔のアルキミストとは違い、現在のアルキミストは数多くの香料を持っている。
人々を魅了する不思議な香りを知っているのが、技術者だ。男性好みの香り、女性好みの香りがある。化粧品や香水、食欲をそそる食品の香りは、販売成功の秘訣となっている。
香料業界は、大手IFFとラルフ・ローレン、カウヴィン・クレイン、ランコム、ジオル・パイソンの五社が年間六十億ドルを売上げている。ブラジルの香料産業は、十五億レアルのビジネスとなっている。
IFFは、タウバテ工場に三千万ドルを投じて新しい香りの開発に挑んでいる。三百人が一日中、匂いをかいで人体への刺激をテストしている。香料業界は新作品の発表が、企業生命となっている。同社の営業品目、旨味や香料の中で香料は六五%を占める。