5月4日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四月三日】ベネズエラを訪問したルーラ大統領は、原油王の一人チャベス大統領から「ヒマ王」の称号をもらった。社会福祉政策を兼ねたヒマ栽培でバイオディーゼルを生産するという一石二鳥を狙った経済政策であるが、大きなリスクが待ち受けている。
プランは、原料生産のために小農生産者を集めた。そのため二〇〇五年、家族農業の奨励資金として一億レアルの予算を用意した。教育水準の低い生産者の起用で、原料の生産原価を安く上げる狙いらしい。
ブラジルのディーゼル年間消費量は、三七〇億リットル。二%のバイオディーゼルを混合するとして、七億四〇〇〇万リットルのバイオディーゼルが必要となる。これを浮き草のような小農生産者に、期待するのは危険ではないか。
バイオディーゼル計画は真剣かつ重大な構想だ。計画に具体性が欠け実現に支障を来たすなら,国際社会で赤恥をかく。この大計画に小農の参画は歯車がかみ合わない。そのうえ植民地造成や生産者の入植を企画した政府の役人は、農業には素人ばかりであった。大統領は少しはしゃぎ過ぎではないか。