ホーム | 日系社会ニュース | ブエノスと大阪=「友好記念碑」が完成=実った伯・亜・日の友好都市協力  構想は亜拓が提起  サンパウロ市のオイスカ仲介役

ブエノスと大阪=「友好記念碑」が完成=実った伯・亜・日の友好都市協力  構想は亜拓が提起  サンパウロ市のオイスカ仲介役

5月5日(木)

 關淳一大阪市長、ダニエル・D・ボルスキー駐日亜国大使ら多くの関係者が参列して、大阪市の長居公園で二〇〇四年十一月十二日、ブエノスアイレス市から寄贈された友好都市記念碑の除幕式が行われた、と、このほど、関係資料と写真がブエノスアイレスから届けられた。併せて、アルゼンチンの国花であるセイボの苗木も植えられ、大阪市民の憩いの場に新しい日亜友好の象徴が登場した。長居公園には陸上競技場が併設されており、各種のスポーツ行事や国内、国際的マラソン、駅伝などの出発・到着地として広く知られている。
 大阪市にアルゼンチンの友好記念碑を建立し、記念樹を植えたい、という構想は、二〇〇〇年にアルゼンチン拓植協同組合(亜拓)が提起した。その二年前の一九九八年にブエノスアイレス市と大阪市が友好都市の関係を樹立したことを受けて、日亜友好の象徴となるようなものを大阪市に建立したい、という願望を当時、亜拓の理事長だった山田ホルヘさんが、サンパウロ市近郊のジャカレイにあるコチア農業学校を視察したのを機会に、オイスカ・ブラジル総局の高木ラウル会長に話をしたところ、ラウルさんがサンパウロ・大阪友好都市のサンパウロ市代表であったため、仲介の労を快諾して、自ら大阪市役所を訪問して、亜拓理事長の親書を磯村隆文大阪市長(当時)に届けた。
 親書を受けた大阪市長が亜拓の提案を受け入れて、準備作業が進められ、四年目の十一月十二日に行事が実現したもの。長居公園への記念碑と記念樹は、ブエノスアイレス・サンパウロ・大阪の友好都市〃三者協力〃の結晶と言っても過言ではないようだ。
 關淳一大阪市長(現)は「この記念碑がアルゼンチンの国花であるセイボとともに、末永く大阪市民に愛され、親しまれるくとを確信しております」と挨拶で述べている。
 これに対して、ブエノスアイレスのアニバル・イバラ市長は「日本の人々は、ブエノスアイレス市に対して実り多い貢献をしてこられました。私たちはそのことを高く評価し、賞賛しています。この銘板と花は両市の友好関係を記念するものですが、亜日両国民を結ぶ絆の再確認となることを希望いたします」と祝辞を送っている。
 構想を提起した亜拓を代表して、新垣善市理事長(現)は「大阪市役所および関係各位に深く感謝申し上げ、この記念碑が末永く両都市と両国民の友好と親善の象徴となることを祈ります」と成就した喜びを述べている。市民の提案を行政が受け入れ、太平洋を越えて友好親善の礎石が誕生したことを祝福したい。