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カルドーゾ前大統領=現政権を痛烈批判=最賃、放漫財政をグサリ=06年に政権奪回を公言

5月6日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】カルドーゾ前大統領は四日、ブラジル社会民主党(PSDB)が主催した財政責任法の施行五周年記念式典に出席するため久々にブラジリアを訪れ、同党員や関係者二百人を前に演説を行った。
 まず同法に触れ、自治体の財政支出を制限することで、支出がガラス張りになったとして、同大統領政権時代の同法施行は効果があったことを再確認した。と同時に、古き良き時代を回顧ばかりしておらず効果的な新しい政策を考慮すべきだとした上で、二〇〇六年以降はPSDBが政権を奪回すると公言した。
 またルーラ現政権に対しては痛烈な批判が相次いだ。最低賃金に関しては、(ルーラ政権発足以来)三年間で一一%しか上昇していない、八年間にわたる我が政権では四四%の上昇をみたとし、ルーラ大統領は当時、労組をバックにことごとく給与体制について攻撃をしてきた。しかるにいざ政権を担当すると公約を実行しないばかりか、それまでの主張を忘れ去っている。これは「非常に汚いやり方」だと決めつけた上で、最低賃金の改善を今から早急に手がけるべきだとの見解を示した。
 さらに国庫支出とくに社会福祉予算については管理が野放しの状態だと指摘。各省は決算を考えずに目先の資金を思いのままに散財しているとし、財政状況を危惧して用心深いのは財務省と企画省のみだと語った。このほか、同法に引っかかり問題が表面化しているサンパウロ市マルタ前市長に関し、セーラ現市長が発言を控えて沈黙を守ったのが注目された。
 式典の後の昼食会では次期大統領選挙が話題を占めた。前大統領は十一月に党執行部が再選された後に決定すると前置した上で、同じテーブルに着いたアウキミンサンパウロ州知事、ネーベス・ミナス州知事、セーラサンパウロ市長、タッソ上議の四氏が有力候補だと述べた。
 しかし出席者の中から前大統領の立候補を推す声もあがり、それに対しては「とんでもない。選挙運動の一兵率として全エネルギーを費やす」と否定した。また記者団の質問に対し、「野心があるとして新聞に書き立てられるのが嫌だから、ブラジリアに来ないようにしている」と軽口をたたいた。
 いっぽうでパロッシ財務相は、省内で記者団に対し、「私を含む労働者党員が、財政責任法の成立を阻止しようとしたのは最大の失敗だった」との認識を示した。その上で、ルーラ大統領が就任時、過ちに気付き、同法を強化したのは適切な判断だったと苦しい弁解を行った。