5月6日(金)
サンパウロ市内で警備員や夜警の求人が急増している。ほとんどが一度は住宅に押し込まれ、強盗の被害にあった人々で再発を恐れて雇うもの。サンパウロ市警察の統計によると、昨年の犯罪発生は一昨年より減少したという。殺人が一八%、強盗が五%、誘拐が五%、盗みが六%、自動車盗みが五%、それぞれ減少した。しかし一日に平均四百十五件発生する強盗や盗みは、被害届がわずか二七%というのが実情だ。さらにこれらの犯人逮捕はわずか五%にとどまっている。実際に被害にあった人は後遺症に悩まされ、ノイローゼとなっている人も多い。
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駐車場に入れたからと言って安心はできず、十分に注意するよう関係者は警告している。ある男性は駐車場に入れた後日、不法駐車違反で罰金の請求を受け取った。駐車場が一杯だったため路上に置かれたらしい。このほか、駐車場内で金品が紛失したり、車体が傷つけられた場合、駐車場は保険に加盟する義務があるので、賠償金を請求できる。その際、駐車場責任者立ち会いのもとで書面で抗議することが肝要と忠告している。話がこじれた場合は消費者保護センター(PROCON)か、民事特別裁判所に訴えることも可能としている。
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マルフ元市長の長男でエウカテックス社のフラビオ・マルフ社長が、ドイツを訪問するために向かったクンビッカ空港で連警に身柄を拘束された。同社長を含むマルフ一家は汚職・資金洗浄などの罪で起訴され公判中で、海外旅行は禁止されている。しかし、同社長は裁判所の渡航許可書をしっかりと持っていたために釈放されて旅立った。連警の調べによると、渡航禁止の処分を出した判事は有給休暇中で、代わりの判事が許可証書を発行したとのこと。連警では同じ裁判所の中で判事によって見解が違うのはおかしいと怒り心頭に発している。
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日本からの移民の多くが泣かされたマラリアが、依然として猛威をふるっている。世界保健機関(WHO)の発表によると、ブラジルでは二〇〇二年に三十四万九千人が発病したが、〇三年は三十七万九千人へと増加した。世界では毎年百万人が死亡し、その八〇%はアフリカが占める。同機関ではブラジル政府の撲滅政策を促しており、発病を半減することを目標としている。