5月7日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】大型スーパーでの常連客離れが目立ってきている。過去三年間で吸収合併や増店舗が相次ぎ、大手スーパー五社で小売総額の四〇%を占めるに至ったが、それにかげりが出てきた。
サンパウロ州スーパー協会がコンサルタント会社に委託して消費者動向を調査した結果によるもので、これまで消費者はスーパーに行ったついでに必要品を一括購入していたが、住宅に近い個人商店や専門店で買い求めるようになってきた。商品に応じて安いものや質の良いものを選択することで、スーパーは「買い得」という概念が薄れてきた。
調査によると、昨年の全国の小売総額は四%の伸びを示したのに対し、スーパーは二%にとどまった。大サンパウロ市圏では五%の減少となった。スーパー以外の三店あるいは四店で買い物をすると答えた人が昨年は七四%となり、二〇〇一年の六一%を大きく上回った。
また大手スーパーの常連客は〇一年の一九%から昨年は一四%へと減少、サンパウロ州ではこれが三四%から二七%へとなった。
しかしその中でも食料品や保健衛生品はスーパーで買い求める人が断然多く、八八%に達した。一人当りの平均消費は一カ月三百十レアルとなっている。買い求めに際しては、ハード製品は安価なもの、野菜や果物は新鮮で良質のブランド品に集中している。
買い物客の二〇%は家族の健康に配慮し、このうち五〇%は毎日果物や野菜を欠かさないと答えている。また低カロリーや有機栽培食品の人気も高く、二一%が優先的に買っている。この製品は他製品より二〇%売上げが増えており、目玉商品となっている。
同協会のススム・ホンダ会長は、大手が画期的な戦略を展開しない限り、客離れの傾向は続くだろうとみている。さらに国内最大手のポン・デ・アスーカルが百六十店舗のハイパーおよびスーパーの開店を発表したことも競争を激化させるとみる。
同社はフランスの大手カシノに自社株を売却したことで得た二十五億レアルを投資に回すことを明らかにした。これによりカシノの保有株式は従来の二四%から五〇%となる。ポン・デ・アスーカルは資本提携の強化によりフランスおよびEU市場へのブラジル産品の拡販を意図している。