ホーム | 文芸 | 刊行 | 『就職のための日本語会話』=日語セ作成=実用的、デカセギ用教材=吹き出しの漫画を多用

『就職のための日本語会話』=日語セ作成=実用的、デカセギ用教材=吹き出しの漫画を多用

5月7日(土)

 ブラジル日本語センター(谷広海理事長)が作成を進めてきたデカセギ用教材、「就職のための日本語会話」が刊行間近だ。「サバイバル」(不慮の災難に遭ったとき冷静に対処して混乱を回避すること)を核におき、訪日就労希望者が最低限必要な日本語力を身に付けることを目指す。谷理事長が〇二年に就任後、大きな目標に掲げてきた事業。JICAシニアボランティアの中田秀光さん(61、北海道出身、四日付大耳小耳中、中田みちよさんは誤り)がコーディネート役を担った。
 「吹きだしの漫画を多用し、楽しく言葉を覚えてもらえるように工夫した」。中田さんは、そう教材の特長を説明する。執筆者は、理事会の推薦でイラストを得意とする教師らを揃えた。
 挨拶・感情表現・依頼・許可など基礎会話、食事や電話といった場面での会話、日本事情などを取り上げた。基本的に一つのレッスンが五部構成で、重要なスキットが三回出てくるように趣向をこらす。
 レッスンの合間に、家族紹介や方位、色などを盛り込み、出入国管理票、外国人登録票の書き方なども実際に練習できる。
 滞日中に困った場面や知っておいたらよいと思う言葉などについて、帰国デカセギ六十人に、アンケート調査を実施。実用的な内容になっているという。
 産業雇用センターでも、職場で使う日本語をテーマにした日本語教材を作成。シアテ(CIATE)の日本語教室で使われている。内容は、かぶらないそうだ。
 別冊で持ち運び出来る辞書も刊行。「日常生活に役立ててほしい」と話している。