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ポ語学習者への決定版=田所教授ら刊行=白水社から文法書

5月7日(土)

 ポルトガル語学習者への決定版――。日本ではまだなじみの少ない言語だけに、文法書の選択に悩みがちだが、うってつけの書が大好評のもと発売されている。京都外国語大学の田所清克教授らが昨年末刊行した文法書「現代ポルトガル文法」だ。これまでも国際語学社などから様々な文法書を刊行してきた田所教授だが、今回は語学書の世界では最も権威ある白水社によるもの。田所教授は「文法全般を網羅した中級向けの内容だが、初心者にも独習しやすく注記もつけた」と自信を見せる。
 簡単な日常会話や、基本的な動詞の活用など様々な書物が刊行されてきたポルトガル語だが、中級者やさらには研究者を目指す人を対象にした本格的なものはこれまで皆無。二〇〇〇年にブラジル文学書の名著として知られる「ブラジル文学事典」を刊行した時のパートナーでもある、伊藤奈希砂さんと田所教授が共著で完成させ、そのボリュームは四百ページを超える。
 動詞の活用や比較級など基本的な内容はもちろんのこと、初心者が頭を悩ませる接続法や話法についても、丁寧に解説。また「可能な限り例文を提示した」という田所教授。簡潔な例文を目にすることで、理屈だけにとどまらない文法の運用を理解できるため、初心者でも気後れすることなく学習できる。
 すでに同書を手にした学習者に好評なのは、これまで目にすることがなかった「支配」の概念を盛り込み、分かりやすく解説したこと。また、付録には、ラテン語およびギリシャ語起源の接頭・接尾辞が掲載されており、語彙力を飛躍的に伸ばす工夫もされている。「ポルトガル語をトータルかつ体系的に学習したい人の補助的な羅針盤になれば」と田所教授。すでにリベルダーデ区内の日系書店でも好評発売中だ。定価は四千六百円と高く感じる人もいるだろうが、最初にこの本を手にすれば、後から買い足す必要はないだけに、値段の価値は十分だ。購入の問い合わせは各日系書店か白水社(03・3291・7811)まで。